欧州全域に広がるベラルーシのスパイ網を摘発、チョコ当局が発表
チェコ、ハンガリー、ルーマニアの諜報機関がベラルーシの国家保安委員会(KGB)に所属するスパイを発見した。
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チェコ共和国の諜報機関は8日、ベラルーシが欧州で構築していたスパイ網を摘発・解体したと明らかにした。
それによると、チェコ、ハンガリー、ルーマニアの諜報機関がベラルーシの国家保安委員会(KGB)に所属するスパイを発見したという。
チェコ保安情報庁(BIS)は声明で、「欧州諸国の諜報員チームがベラルーシKGBに所属するスパイを複数国で発見した」と明らかにした。
チェコ政府も声明を出し、外交官を装って活動していたベラルーシ人工作員を追放したとしている。
チェコ外務省は8日、当該人物に対し、72時間以内に出国するよう命じたと明らかにした。
BISは声明の中で、「ベラルーシが外交官を悪用しスパイネットワークの構築に成功した」と指摘している。
ルーマニア当局は国家反逆罪で47歳のスパイを逮捕したと報告。この容疑者はかつてモルドバの情報機関に務めていたとされる。
ベラルーシはロシアによるウクライナ侵攻を全面的に支援し、欧州諸国にハイブリッド攻撃を仕掛けている。
ハイブリッド攻撃とは、軍事的手段と非軍事的手段を組み合わせて相手国や組織を揺さぶる行為を指す。
具体的には、武力行使に加えてサイバー攻撃、偽情報の拡散、経済制裁、エネルギー供給の操作、非正規部隊や民兵の投入など多様な手法を同時または段階的に用いることが特徴である。
狙いは相手の社会や政治の安定を崩し、抵抗する前に意思決定を混乱させることにある。
軍事侵攻と異なり、攻撃者の関与を曖昧にすることで国際的な非難や制裁を回避しやすい利点がある。
そのため、現代の安全保障では軍事防衛に加え、情報・経済・サイバー領域での対策が不可欠となっている。