◎デモを主催する極右団体は「チェコ・ファースト」というスローガンを掲げ、極左にも参加を呼びかけた。
チェコの首都プラハで28日、欧米寄りのフィアラ(Petr Fiala)首相率いる連立政権とウクライナ支援に反対する集会が開催され、数千人が参加した。
警察当局によると、この規模の反政府集会が開かれるのは9月以降で3回目。9月3日の集会には7万人が集まったと推定されているが、今回は1万人前後にとどまったようだ。
デモを主催する極右団体は「チェコ・ファースト」というスローガンを掲げ、極左にも参加を呼びかけた。
人々は国旗を振り回し、「辞任しろ!」と連呼した。
チェコも他の欧州諸国と同じく、エネルギー・食料・住宅価格の高騰に直面している。
主催団体はウクライナを支援し、対ロシア制裁を推進するEUを非難し、フィアラ政権に国連、EU、NATOから脱退するよう要求した。
ある演説者は「我々の敵はロシアではない。温情主義が敵なのだ」と語った。
地元メディアによると、第2の都市ブルノでも数百人規模の集会が開かれたという。
政府報道官は28日にツイッターを更新。デモ隊の要求を退けた。「誰が友人で、誰が敵で、誰が自由のために血を流しているか...見極めてください」
チェコはウクライナを強く支持しており、ウクライナ軍に重火器を供与し、ウクライナ難民に医療、財政支援、労働許可などの恩恵を与えるビザ約45万件を発行している。
フィアラ氏と一部の閣僚は31日にウクライナの首都キーウでゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と会談する予定だ。
フィアラ氏は28日の声明で、「チェコはロシアの侵略に対するウクライナの正当な戦いを集中的に支援する」と改めて表明した。
今月初めに行われたチェコ議会上院(定数81)の議席の3分の1を争う選挙では連立与党が大勝している。