◎6月の欧州議会選では不法移民が大きな争点となり、移民排斥を訴える極右政党が躍進。ドイツ東部の州議会選でも極右が第2次世界大戦後初めて第1党になった。
チェコとポーランドの首脳が9日、EUの執行機関である欧州委員会に対し、不正移民対策を強化するよう要請した。
ポーランドのトゥスク(Donald Tusk)首相はチェコの首都プラハでフィアラ(Petr Fiala)首相と会談。ウクライナ戦争や不法移民など、EUが抱える複数の問題について協議した。
フィアラ氏は記者会見で、「5月にEU加盟27カ国が承認した亡命制度の抜本的な改革は不十分であり、より厳格なものにすべきである」と述べた。
ハンガリーとポーランドは移民を受け入れる義務や、移民の保護にかかる費用を負担する義務に長年反対してきた。
フィアラ氏は「EU域内の国境で長期的な国境検問を再開することにも否定的だ」と強調。トゥスク氏もこれに同調した。
トゥスク氏は「EUに課せられた課題は域内国境を作ったり、不法移民のグループを欧州内で行き来させるメカニズムを模索したりすることではなく、域外国境を守り、不法移民を最小限に抑えることだ」と述べた。
6月の欧州議会選では不法移民が大きな争点となり、移民排斥を訴える極右政党が躍進。ドイツ東部の州議会選でも極右が第2次世界大戦後初めて第1党になった。
ドイツ政府は先月、イスラム主義者によるテロ攻撃が相次いだことを受け、国内すべての国境検問所の警備を強化した。