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チェコ議会、バビシュ首相の免責特権解除を採決、補助金詐欺

問題となっているのは200万ドル相当のEU補助金をめぐる不正受給疑惑である。
チェコのバビシュ首相(AP通信)

チェコの議会下院(定数200)はEU補助金をめぐる詐欺事件で、ポピュリストのバビシュ(Andrej Babis)首相の刑事訴追を可能にするため、議員特権(免責特権)を解除するかどうかの採決を行う見通しとなった。免責が解除されれば、プラハ市裁判所が事件の審理を進め、判決を下すことが可能となる。

問題となっているのは200万ドル相当のEU補助金をめぐる不正受給疑惑である。この補助金は中小企業向けの支援制度で、バビシュ氏が実質的に支配していた農場「ストークス・ネスト」が受給していた。この農場は当時、同氏が所有する農業系複合企業「アグロフェルト」から一時的に家族名義へ移されており、制度上は中小企業として補助金を受け取る資格を得ていたとされる。その後、農場の所有権は再びアグロフェルトに戻され、補助金も返還された。

この事件をめぐっては、プラハ市裁判所がこれまでに2度、バビシュ氏に無罪判決を言い渡している。しかし、高等裁判所は証拠の評価が不十分だったとしてこれらの判決を取り消し、再審理を命じるとともに、有罪判断を検討すべきだとの見解を示した。

バビシュ氏は一貫して無罪を主張し、「事件は明らかに政治的動機によるものだ」と述べている。検察は執行猶予付き判決と罰金刑を求めており、再審理の結果が政治情勢にも影響を与える可能性がある。

また、補助金申請書に署名した元側近も再審の対象となる。現在は欧州議会議員だが、すでに欧州議会が免責特権を解除し、裁判手続きが進められている。

バビシュ氏は2025年の総選挙で自身が率いる与党ANO(不満を持つ市民の行動)を勝利に導き、反移民政党などとの連立で政権に復帰したばかりである。新政権はEU政策の一部に批判的な姿勢を示し、ウクライナ支援の見直しなどを掲げている。こうした中で進む今回の議会判断は、同国政治の行方にも影響を及ぼす可能性がある。

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