◎今年1月から10月の間にキプロスに到着した移民希望者は前年と比較して38%増加した。
2021年11月9日/キプロス、首都ニコシアの郊外にある難民キャンプ(Petros Karadjias/AP通信)

11月10日、キプロス政府は不法入国を試みる移民希望者の急増を受け、EUに亡命申請の処理停止の承認を求めると明らかにした。

マリオス・ペレカノス報道官は記者団に、「移民の急増は犯罪率を引き上げ、地方自治体の財政を圧迫し、国の人口統計に深刻な影響を与えている」と述べた。

またペレカノス報道官は、キプロスが保護している多くの亡命希望者を他のEU加盟国に移し、亡命希望者を母国に戻すための協定を関係国と結ぶようEUに圧力をかけると強調した。「キプロスは人権を尊重します。しかし、国民の権利と利益を保護することも重要であり、EUはキプロスの要請に基づき、関係国と包括的な協定を結ばなければなりません...」

キプロスは移民希望者を合法的に母国または経由国に送還できる協定を望んでいる。

ペレカノス報道官は、「リトアニアとポーランドの国境で進行中の移民危機に対応するEUの決定はキプロスにも適用される」と述べた。

政府の報告によると、今年1月から10月の間にキプロスに到着した移民希望者は前年と比較して38%増加したという。期間中に到着した移民希望者10,868人のうち9,270人は、国際的に認められていない北キプロス・トルコ共和国から国境を越え、亡命を求めた。

南部地域における移民の割合は人口の約4%に増加し、ある自治体は小学生の16%が移民の子供と報告した。他のEU加盟国の自治体人口における移民の割合は約1%と推定されている。

ペレカノス報道官は、深刻な犯罪に関与した者の43%が移民だったと明らかにした。

キプロス政府は2014年から2020年の間に移民の支援と難民キャンプに約1億8,000万ユーロ(約240億円)の予算を割り当て、今年は10月までに3,800万ユーロ(約50億円)を拠出した。

国内の難民問題を統括するキプロス難民評議会は10日、「キプロスは難しい問題に直面しているが、EUが亡命申請の処理停止と合法的な送還に関する協定を制定する可能性は低いだろう」と述べ、移民の庇護を求める権利を維持することが重要と強調した。「EUは移民希望者の急増が加盟国の財政を圧迫していることを重く受け止め、対応を検討しなければなりません...」

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