ギリシャ無線通信障害、システム不具合の可能性、調査進む
この障害は1月4日午前に発生し、ギリシャの空域全体で航空無線通信に「ノイズ(雑音)」が生じたことで、地上の航空管制官と飛行機との無線連絡が途絶した。
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ギリシャ政府は5日、同国全土の航空網を一時停止させた大規模な通信障害について、サイバー攻撃の可能性は極めて低いとの見解を示した。ただし、障害の正確な原因はいまだ特定されておらず、関係当局による調査が続けられている。
この障害は1月4日午前に発生し、ギリシャの空域全体で航空無線通信に「ノイズ(雑音)」が生じたことで、地上の航空管制官と飛行機との無線連絡が途絶した。予備の通信システムにも同様の問題が出たため、当局は安全を確保する目的で空域を閉鎖し、国内のすべての便が離着陸を停止した。
この影響で、アテネ国際空港やテッサロニキ空港など主要空港を中心に約120便が運航停止となり、多数のフライトが他国へ迂回あるいは遅延した。また、数千人の乗客が空港で足止めされ、大きな混乱が生じた。欧州航空管制機関(ユーロコントロール)が航空機の迂回支援を行い、混雑緩和に協力した。
中央政府はこの障害を「非常に深刻な出来事」と表現した一方で、乗客の安全が脅かされることはなかったと強調した。首相府の報道官も「サイバー攻撃であるという兆候はみられない」と述べ、外部からの悪意ある侵入ではなく技術的な異常が原因である可能性を示唆した。
航空局は障害の直接的な引き金は全ての通信チャネルで同時に発生した「ノイズ」であり、それが航空無線の機能停止を招いたと説明している。予備系統も影響を受けたため、管制官が通常の運航指示を出せない状況となり、空域閉鎖という措置が取られた。
この障害を受け、司法調査と内部調査が同時に開始された。さらに航空当局、空軍関係者、ユーロコントロール、そして国営のサイバー防衛機関の代表を含む調査委員会を設置し、原因究明と再発防止策の検討を進めるとしている。
航空管制関係者の組合は今回の障害を受け、老朽化した設備の更新の必要性を改めて訴えた。現在のシステムは数十年前の技術に基づいている部分があり、今回のような全系統での通信トラブルが発生した背景として、設備の老朽化や保守体制の課題が指摘されている。
この通信障害は影響が数時間に及び、復旧後も航空網の混雑は5日早朝まで続いた。政府と航空当局は乗客への影響を最小限にするための対応を進めるとともに、再発防止に向けたシステムの検証と強化を急ぐ方針を示している。
今回の事態は、航空管制システムの信頼性やインフラの近代化に関する議論を喚起し、国際的な標準に沿ったシステム更新の必要性が改めて浮き彫りになった。
