◎ロシアが2014年に強制併合したクリミア半島は開戦以来、繰り返し攻撃を受けてきた。
ウクライナ南部のロシアが強制併合したクリミア半島の石油基地で29日、大規模な火災が発生した。
ロシア政府が任命したラズボザエフ(Mikhail Razvozhayev)知事はテレグラムに声明を投稿。港湾都市セバストポリのカザチヤ湾に面した石油貯蔵施設で火災が起きたと報告した。
ソーシャルメディアで共有された映像には基地とみられる場所から炎と黒煙が立ちのぼる様子が写っていた。火災は29日の早朝に発生したようだ。
ラズボザエフ氏は声明の中で、「火災は鎮火し、ケガ人はいなかった」と報告している。
ウクライナ軍情報部の報道官は29日、地元メディアのインタビューでこの火災に言及。「ウマンの民間人虐殺に対する神の罰である」と語った。
ロシア軍は28日、中部の都市ウマンを含むウクライナ全土を空爆した。
ウマンでは9階建てアパートにミサイルが直撃し、子供6人を含む少なくとも23人が死亡したと報告されている。
ウクライナ軍参謀本部は首都キーウなどに飛来したミサイル23発のうち21発と、自爆ドローン2機を撃墜したと報告した。
ロシア国防省は28日未明のミサイル攻撃でウクライナ軍の予備部隊が駐留する施設をひとつ残らず破壊したと主張。民間人が標的になったというウクライナの非難声明を却下した。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は28日の声明で、ロシアに対してさらなる行動を取らなければならないと国際社会に訴えた。
ゼレンスキー氏は自身のツイッターアカウントに、「悪は武器で止めることができる」と投稿した。「それは制裁で止めることができます...」
ウクライナ政府はクリミア施設の火災への関与を否定したが、各地で活動するレジスタンスが引き起こしたというロシアメディアの報道を否定も肯定もしなかった。
クリミア半島は開戦以来、繰り返し攻撃を受けてきた。
ロシア軍と民間軍事会社ワグネルは東部ドネツク州の要衝バフムートをめぐる攻防で苦戦を強いられている。西側の政府や専門家はロシアがバフムートに固執し、戦力と兵器を浪費し過ぎていると指摘している。