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運動とボランティア活動を組み合わせる、イギリス発祥の非営利団体が話題に

ロンドンなどで活動するチャリティ団体「グッドジム(GoodGym)」は、伝統的なジムメンバーシップやトレッドミル、ダンベルといった設備を使わず、走る・歩く・自転車で移動するなどの運動を地域貢献活動に結び付ける独自のプログラムを提供している。
2026年1月14日/イギリス、ロンドン、テムズ川の清掃を行っているボランティア参加者たち(AP通信)

イギリスで運動とボランティア活動を組み合わせた新たなフィットネスが人気を集めている。ロンドンなどで活動するチャリティ団体「グッドジム(GoodGym)」は、伝統的なジムメンバーシップやトレッドミル、ダンベルといった設備を使わず、走る・歩く・自転車で移動するなどの運動を地域貢献活動に結び付ける独自のプログラムを提供している。参加者は単に体を鍛えるだけでなく、地域社会の課題解決にも貢献できると好評だ。

グッドジムの参加者は最近、ロンドン市内のコミュニティガーデンで、ヘッドランプを付けて土を掘り、雑草を取り除く作業を行った。参加者は現地へ向かう前に1マイル(約1.6キロ)走って体を温め、掘る・しゃがむ・持ち上げるといったボランティア作業自体が“週次のトレーニング”になっている。

この活動の目的は「よいことをして健康になる」ことだ。ジム会費は不要で、参加者が求められるのは運動したいという意欲と、食品バンクの缶詰整理、ゴミ拾い、高齢者宅訪問などの地元のボランティア業務に取り組む気持ちだけである。活動に参加した42歳の男性はAP通信の取材に対し、「普段は普通のジムにも行くが、グッドジムの週一回のランは義務のように感じている。寒い冬の月曜夜でも外に出なければならない理由になる」と語った。

グッドジムのメンバー数は現在、イングランドとウェールズで67拠点にわたり2万6600人を超える。北アイルランドやスコットランドでも新たな支部を開設する計画が進行しており、多くの地域で毎週集まりが開催されている。ロンドンでは放置されたクリスマスツリーの撤去、テムズ川河岸からのプラスチックごみの回収、果樹の植樹、ホームレスへの簡易ベッド設置など、多様な活動が行われている。メンバーはこうした活動に参加することで、「前向きな何かの一部になっている」という実感が運動の継続につながると語る。

グッドジムは2007年に発足。創設者は自身が運動不足だった頃に新聞を高齢者に届けるために走ったことがきっかけでこの団体を立ち上げた。当初は東ロンドンのポスター撤去など地域の小さなプロジェクトから始まり、活動は他都市にも広がった。2015年に慈善団体として登録後、コロナパンデミックの際には、孤立した高齢者への処方薬や食料の配達など支援活動の要請が急増し、活動内容が拡大した。

グッドジムは高齢者の話し相手になる、重い家具を移動するのを手伝う、芝刈りをするなどの実務的な支援も続けている。こうした家庭訪問の場合は複数人でのトレーニングにはならないが、参加者は走る・歩く・自転車で移動して現場に向かうことが推奨されている。

グッドジムは月額寄付を歓迎しているが、あくまで任意であり、参加者に出席を強制しない方針だ。創設者は「今日申し込んで今夜すぐに始められる。障壁をできるだけ低くしている」と説明する。

専門家による2年にわたる評価調査では、運動とボランティア活動を組み合わせたことで、孤独感の減少・生活満足度の向上・帰属意識の強化など、心の健康に関する複数の側面で改善がみられたとしており、単独の運動や単独のボランティアよりも高い効果がある可能性が示唆されている。

グッドジムのプログラムは、運動と地域貢献の両方を求める人々に支持され、従来のジムに代わる新たなコミュニティ形成のモデルとして注目を集めている。

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