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英仏海峡トンネルで障害、ユーロスターと車両シャトル便に影響

障害が発生したのはトンネル内の電力供給システム。故障が原因とみられ、ユーロスターの列車や車両シャトルの運行に遅延や一時的な停止が発生した。
2025年12月30日/イギリス、ロンドンのセントパンクラス国際駅(AP通信)

12月30日、仏海峡トンネルで発生した技術的な障害がイギリスとフランス間を結ぶユーロスターと車両運行に大きな影響を及ぼした。このトンネルは両国間の鉄道輸送と自動車輸送における重要なルートであり、その障害が数千人の旅行者や貨物の移動に影響を与えた。

障害が発生したのはトンネル内の電力供給システム。故障が原因とみられ、ユーロスターの列車や車両シャトルの運行に遅延や一時的な停止が発生した。特にユーロスターはロンドン・パリ間の重要な高速鉄道サービスであり、毎日多くの旅行者に利用されている。この障害により、数本の列車が運行できず、予約の変更やキャンセルが相次いだ。

また、トンネル内での車両シャトルサービスにも影響が出た。車両シャトルは、車両をトンネル内で輸送するためのサービスで、フランスとイギリス間での自動車輸送に不可欠な存在だ。このサービスの遅延や停止は、トンネルを利用する自動車旅行者に大きな不便をもたらした。

フランス側とイギリス側の当局は、迅速に修復作業を進めることを発表したが、完全復旧には時間がかかるとみられる。ユーロスターや車両シャトルの運行会社は影響を受けた乗客に対し、払い戻しや振替えサービスを提供すると案内した。

影響を受けた旅行者からは、交通の混雑や移動の遅れに対する不満の声が上がった。特に、年末の旅行シーズンを控えたこの時期、帰省や旅行の計画に大きな影響を及ぼしたことから、輸送業者や当局の対応に対する批判もあった。

英仏海峡トンネルは1994年の開通以来、両国間の重要な輸送ルートとして機能しており、その運行停止は非常に稀である。過去には悪天候や技術的な問題が原因で一時的な運休や遅延が発生したこともあるが、今回のように広範囲にわたる影響を及ぼす事態は異例である。

今回の障害は英仏間の輸送インフラにおけるリスクを再認識させるものとなった。鉄道や車両輸送の利用者にとって、長時間の移動遅延や予期しないキャンセルは旅行の大きな障害となるため、今後のインフラの維持管理やトラブル対応に対する改善が求められることになるだろう。

トンネルの管理会社と運行業者は再発防止策を講じるとともに、今後のトラブル時に迅速かつ的確に対応できる体制を整備する必要がある。また、利用者に対しても、運行状況のリアルタイムな情報提供を強化し、事前の案内を充実させることが望まれる。

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