◎リバプールFCのサポーターは先月末、パリのスタジアム「スタッド・ド・フランス」の入り口で警察の取り締まりに直面し、涙を流した。
イギリス、プレミアリーグのリバプールFCサポーターは21日、フランス上院で先月行われたチャンピオンズリーグ決勝戦の混乱について証言し、「動物のように扱われた」と語った。
スペインのレアル・マドリードは催涙ガスと唐辛子スプレーが飛び交う歴史的な一戦を制し、史上最多14度目の欧州制覇を決めた。
一方、リバプールサポーターはパリのスタジアム「スタッド・ド・フランス」の入り口で警察の取り締まりに直面し、涙を流した。
当日試合を観戦する予定だった車いすサポーターの代理人は仏上院の委員会で、「ひどい目に遭った」と証言した。
フランスのダルマナン(Gerald Darmanin)内相は以前、「スタジアムの外で問題を起こしたのはリバプールサポーターだけだった」と述べた。
リバプール障害者サポーター協会の会長は21日、仏上院で当時の状況について説明した。「私と私の妻はフランスとパリを愛しています。しかし、ダルマナンさん、あなたは嘘をつきました」
「もしあなたに良識があるのなら、辞任することをお勧めします」
フランス警察は一部のサポーターに催涙ガスと唐辛子スプレーを浴びせた。
ダルマナン氏は先月末、「リバプールサポーターが提示した偽造チケットのせいで試合開始が遅れた」と非難した。
UEFA(欧州サッカー連盟)の検証委員会は偽造チケットを含むすべての問題を調査している。
仏上院の議員らは、車椅子のサポーターが乱闘に巻き込まれ、ひどい目に遭ったという話を聞いた。
また自閉症の8歳の男児が父親と離れ離れになり、警察の取り締まりに巻き込まれ、涙を流して助けを求めたという話も聞いた。
同協会の会長は、「体の不自由なファンは動物のように扱われた」と語った。「あなたたちは彼らをボロボロにしたのです...」
また会長は暴力のせいで試合に関心がなくなり、終了前にスタジアムを離れようとしたが、入り口周辺の混乱が終息していなかったため、出たくても出れなかったと説明した。
さらに、警察の監視下にあるはずの地下道で地元の住民と思われる人々に襲われたと証言した。「体の不自由な人が暴力団に襲われる恐怖を想像してください。どれほど恐ろしかったか...」
会長はこの一戦を「史上最悪のサッカー体験」と呼んだ。
イギリスのサポーター団体「スピリット・オブ・シャンクリー(Spirit of Shankly)」はこの事件について、「仏当局の対応は1980年代(フーリガン全盛期)の先入観に基づいている」と非難している。「フェンスの外にいるサポーターに催涙ガスを吹き付ける必要がありますか?」
また同団体は仏当局に来年開催されるラグビーワールドカップと2024年夏季五輪に向け、今回の失敗から学ぶよう促した。
仏上院の報告書は、サポーターへのスプレー攻撃を含む一連の取り締まりが決勝戦を台無しにしたと結論付けている。
失敗の中にはスタジアム周辺の警備不足、準備不足、チケットを持っていない人や偽物チケットが多かったことなどが含まれている。
仏上院は責任の所在を明確にせずに改善策を提言しており、政府はこれを実践するとしている。