◎仏軍は中央アフリカや隣国マリなどでイスラム過激派との戦いを続けてきた。
中央アフリカ共和国に駐留していた最後のフランス兵が15日、後方支援任務を終え首都バンギの空港を出発した。
AFP通信によると、国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団(MINUSCA)を後方支援してきた仏兵47人は15日の現地時間正午頃にバンギの空港を離れたという。
仏軍は中央アフリカや隣国マリなどでイスラム過激派との戦いを続けてきたが、マリの軍事政権がロシアの民間軍事企業ワグネルと契約を結び、旧宗主国であるフランスとの関係を断ったため、マリおよび中央アフリカからの撤退を決めた。
後方支援部隊の司令官はAFP通信の取材に対し、「ワグネルの流入で中央アフリカの治安も乱されている」と語った。「この国で働く条件は満たされていないという結論に達しました」
フランス政府は昨年、ロシアが画策した反フランスキャンペーンに加担したとして中央アフリカ政府との軍事協力を停止した。
フランスはワグネルの傭兵が民間人を虐殺し、中央アフリカの資源をむしり取っていると非難している。
中央アフリカは世界で最も貧しい国のひとつであり、2012年から内戦状態にある。現在、MINUSCAの兵士約1万2000人が治安維持任務に当たっているものの、国土のおよそ3分の2が反政府勢力の支配下に置かれている。
フランスは中央アフリカの旧宗主国であり、国連の許可を得て2013年に兵士1000人以上を派遣。地域の暴力に歯止めをかけた。この取り組みは2016年まで続いた。
紛争は2018年をピークに沈静化し、虐殺に関与したとされ複数の反乱軍が戦争犯罪や人道に対する罪で告発されている。