◎セルビアでは全国各地で駅天井崩落事故に抗議するデモが続いている。6日には数千人が参加し、犠牲者を追悼した。
セルビアの首都ベオグラードで6日、抗議デモを行っている人々の列に車が突っ込み、4人が負傷した。警察が明らかにした。
それによると、車を運転していた67歳の男が現行犯逮捕されたという。
デモ隊は北部ノビサドで1カ月前に発生した駅天井崩落事故の犠牲者を追悼するために、市中心部の道路を封鎖して黙とうを捧げていた。
この事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口で11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団は声明で、「楽団員4人が車にひかれて負傷し、市内の病院で治療を受けている」と明らかにした。
警察は容疑者の認否を明らかにしていない。
AP通信は目撃者の話しとして、「ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団の団員たちは職場近くの横断歩道でデモに参加した際、事故に巻き込まれた」と伝えている。
それによる、車はブレーキを踏むことなくデモ隊に突っ込み、4人をはね飛ばしたという。
ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団は「恐ろしい暴力行為を強く非難する」と声明を出した。同楽団は6日夜に予定していた公演をキャンセルした。
セルビアでは全国各地で駅天井崩落事故に抗議するデモが続いている。6日には数千人が参加し、犠牲者を追悼した。
現地メディアによると、最近のデモは主に大学生が主導し、各学部が連携して24時間体制で道路を封鎖したり、デモ行進を行っているという。
デモ隊はブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領と政府与党に責任を取るよう求めている。
事故が起きた駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。
野党はずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ氏に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。
検察当局は先月、この事故に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を逮捕した。
過去数週間の集会では親政府支持者がデモを妨害しようとして暴力に発展したこともあった。