◎有権者は終わりの見えない選挙スパイラルにウンザリ、経済と外交政策に深刻な影響を与えている。
2024年10月27日/ブルガリア、首都ソフィアの投票所(AP通信)

ブルガリアで27日、この3年で7回目の総選挙(一院制、定数240)が行われ、多くの有権者が新政権の樹立に期待しながら投票した。しかし、安定した政権が樹立される可能性は低い。

親ロシア派の政党や極右の支持率が上昇しているにもかかわらず、単独で過半数を獲得する政党が出るはずもなく、まともな連立交渉が行われる見通しも立たない。

有権者は終わりの見えない選挙スパイラルにウンザリ、経済と外交政策に深刻な影響を与えている。

改革の遅れにより、ブルガリアは数十億ユーロのEU復興基金を失う可能性もある。旅券なしでの自由な往来を認めるシェンゲン協定とユーロ圏への加盟はさらに遅れそうだ。

首都ティラナの投票所でAP通信の取材に応じた男性は、「蔓延する汚職に終止符を打つためには改革が必要です」と嘆いた。「国が繁栄するためには、窃盗と汚職を根絶しなければなりません...」

6月の総選挙でも明確な勝者はおらず、分裂した国会に飛び込んだ7つの政党は激しく言い争った後、連立交渉を断念。ラデフ(Rumen Radev)大統領は当時、議員に対し、政治的行き詰まりと経済的苦境を打破するために妥協するよう促していた。

アナリストは今回の選挙でも同じことが繰り返されると予想している。

中道右派「GERB(欧州発展のためのブルガリア市民)」のボリソフ(Boyko Borissov)元首相はティラナの投票所で、「我々の政策がこの国に安全と安定をもたらす」と自信を示し、有権者に支持を呼びかけた。

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