◎採決前の激しい論戦はブルガリアの分裂を反映していた。
ブルガリアの国民議会は3日、ウクライナに軍事支援を送る議案を賛成多数で可決した。
地元メディアによると、国会はEU寄りの政党4党が提出した議案を賛成175-反対49で可決したという。
政府は1カ月以内に自国の防衛能力に影響を与えることなく供与できる兵器を決める。
ブルガリアは以前、自国の工場でウクライナの軍事装備を修理することに同意したが、ラデフ(Rumen Radev)大統領とロシア寄りの政党の反対で兵器供与は見送られていた。
EU加盟国の中でウクライナへの兵器供与を拒否した国はブルガリアとハンガリーのみである。
社会党は声明で、「兵器供与の増加は戦争の激化を意味する」と反対を表明している。
採決前の激しい論戦はブルガリアの分裂を反映していた。
ブルガリアはNATOとEUの両方に加盟しているが、多くのブルガリア人は歴史、文化、宗教に根ざしたロシアに同情している。またブルガリアはロシアの化石燃料に大きく依存している。
親ロシア派の議員は支持者に議会議事堂前で抗議デモを行うよう呼びかけている。
一方、この1年半で4回目となる10月2日の議会選を制した中道右派の「GERB(欧州発展のためのブルガリア市民)」はウクライナへの軍事支援に理解を示している。
GERBを率いるボリソフ(Boyko Borissov)氏は2009~2021年初めまで首相を務めたものの、汚職、ロシアオリガルヒとのつながり、メディアへの圧力疑惑などが浮上し、全国規模の激しいデモを引き起こした。
先月の議会選の投票率は40%に届かなかった。