◎ブルガリアと北マケドニアの関係は悪く、その主な要員は地域の歴史や文化をめぐる不一致で、ブルガリアは北マケドニアのEU加盟を長年阻んできた。
ブルガリア政府は26日、北マケドニアでブルガリア人がヘイトクライム(憎悪犯罪)の犠牲になったことを受け、両国の共同プロジェクトを中止する可能性があると警告した。
外務省は駐北マケドニア大使を召還し、事件について協議した。
北マケドニアのブルガリア文化センターで働く男性職員は先週、少なくとも3人に暴行を受け重度の脳障害を負い入院。その後、ブルガリアの政府専用機で首都ソフィアに搬送された。
北マケドニア政府は26日、暴力を改めて糾弾し、捜査を進めていると述べる一方、ブルガリアに「大使を召還する必要はない」と反発した。
北マケドニアのコバチェフスキ(Dimitar Kovacevski)首相はSNSに声明を投稿。ヘイトクライムを糾弾したうえで、「一部の人間の誤った行動で国家全体を非難すべきではない」と述べた。
これに対し、ブルガリアのミルコフ(Nikolay Milkov)外相は「北マケドニアの少数民族は危機に直面しており、EUの同盟国に警告を発する」とした。
北マケドニアは昨年、ブルガリアの支持を得て、EU加盟交渉をスタートさせた。
ミルコフ氏は国営テレビのインタビューで、「北マケドニアのアプローチは生産的とは言えず、二国間協力を見直すことになるだろう」と説明したが、共同プロジェクトの詳細は明らかにしなかった。
またミルコフ氏は、「北マケドニアはまだ正式にEU加盟交渉を開始しておらず、阻止するつもりもない」と強調した。
ブルガリア外務省は26日、駐北マケドニア大使を召還し、この問題について協議したと声明を発表した。「我々は北マケドニアで生活するブルガリア人に対するヘイトおよび暴力への対策と、二国間関係のさらなる発展について協議しました...」
両国は先月、ヘイトスピーチや差別がもたらす緊張を緩和することで一致した。EUの執行機関である欧州委員会は加盟を申請した国に差別を防止するよう求めている。
ブルガリアと北マケドニアの関係は悪く、その主な要員は地域の歴史や文化をめぐる不一致で、ブルガリアは北マケドニアのEU加盟を長年阻んできた。
しかし、マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領が提案した妥協案を北マケドニア議会が承認したことを受け、ブルガリアは昨年6月、加盟交渉を支持すると表明した。