ハンガリー・ブダペスト市長が警察に出頭、LGBTプライドパレード捜査で事情聴取受ける

2025年6月28日/ハンガリー、首都ブダペストで開催されたLGBTプライドパレード、取材に応じるゲルゲイ市長(ロイター通信)

ハンガリー・ブダペストのゲルゲイ(Gergely Karacsony)市長が1日、警察の事情聴取を受けた。

地元メディアによると、ゲルゲイ氏は1日朝、市内の警察本部に入ったという。

現場には約200人が集まり、ゲルゲイ氏に歓声を送った。

連邦議会(一院制、定数199)は4月、与党・フィデス・ハンガリー市民同盟が提唱するLGBTQ+(性的少数者)による公共イベントを禁じる憲法改正案を3分の2以上の賛成多数で可決した。

これは道徳的、身体的、精神的な発達に対する子供の権利が、平和的に集会する権利を含む、生命に対する権利以外のあらゆる権利を優先すると宣言している。

それから2か月後、ゲルゲイ氏はブダペスト市内でのLGBTプライドパレードを許可した。

6月28日にブダペストで開催されたパレードは同国史上最大規模となった。主催者は約30万人が参加したと報告している。

ゲルゲイ氏は警察の護衛の下、警察本部に入る前に記者団に対し、「ハンガリーの自由が懸かっている」と述べた。

またゲルゲイ氏は「1ヶ月前のプライドパレードは、多くの人が世界中に、ブダペストでは自由も愛も禁止できないことを伝えた」と強調した。

警察庁は当時、プライドパレードの参加者に罰金を課す可能性があると警告。しかし、凄まじい数の市民が集まり、警察の取り締まりを圧倒した。

このパレードはブダペスト市が主催。オルバン氏は長年、このイベントを「変態の集い」などと呼び、ゲルゲイ氏を「ブリュッセルの傀儡」と批判してきた。

与党フィデスは3月、反LGBTQ法を可決。18歳未満の未成年者に対する同性愛の「描写や宣伝」を禁止し、争点となっている児童保護法に違反するイベントの開催や参加を禁じた。

この法律により、「LGBTQコミュニティが主催するイベント」は開催できなくなった。警察は顔認識カメラを使って参加者を特定する権限も付与されている。

警察庁はパレードを違法と非難したが、参加者を逮捕するつもりはないと発表。主催者に対する捜査は進行中としている。

パレードの主催者の1人であるLGBT団体の会長も1日に事情聴取を受けた。会長は警察本部に入る前、支持者に対し、「来年の国政選挙でこの国を正しい道に戻すことができる」と語った。

最新の世論調査によると、野党TISZA(尊敬と自由)の支持率は与党フィデスに大差をつけている。

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