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イギリスが新型弾道ミサイル開発へ、ウクライナの防衛支援

この取り組みは「Nightfall(ナイトフォール)」と名付けられたプロジェクトの一環であり、ウクライナ軍がロシアとの戦闘で使用できる地上発射型の長射程弾道ミサイルを迅速に開発する予定だという。
英国製の長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」‎のイメージ(Getty Images)

イギリス政府は11日、ウクライナの防衛支援を目的とする新たな弾道ミサイルの開発計画を発表した。報道によると、この取り組みは「Nightfall(ナイトフォール)」と名付けられたプロジェクトの一環であり、ウクライナ軍がロシアとの戦闘で使用できる地上発射型の長射程弾道ミサイルを迅速に開発する予定だという。

ナイトフォールは200キログラムの通常弾頭を搭載し、500キロメートル以上の射程を有することを目標としている。複数のミサイルを短時間で発射でき、敵の反応前に発射位置から離脱可能な機動性の高いシステムの構築が想定されている。英国防省はこの計画が厳しい電磁干渉環境や高脅威の戦場でも機能するよう設計されると説明している。

イギリス政府はプロジェクトに関連して産業界への募集を開始し、3つの企業チームに対し、各900万ポンドの開発契約を予定している。この契約に基づき、12カ月以内に最初の3基の試作ミサイルを設計・製造することが目指されている。ミサイルの単価は最大80万ポンドとされ、月産10システムの生産体制構築を念頭に置いた取り組みとなっている。

防衛省当局者はナイトフォール計画ついて、ウクライナに長射程の打撃能力を提供し、ロシア軍の攻撃に対抗する戦術的オプションを拡大する狙いがあると説明する。イギリスはこれまでにも多数の軍事支援をウクライナに提供してきたが、今回の弾道ミサイル開発は、戦闘継続に必要な能力強化を図る重要な一歩と位置付けられている。

この発表は、まもなく開戦から4年目を迎えるウクライナ戦争が激しさを増す中で行われた。ウクライナ側はロシアのミサイルやドローン攻撃に直面し、防空能力や反撃能力の強化を求めてきた。イギリス政府はこうした要請に応じる形で、ナイトフォールのような先進兵器の提供を通じてウクライナの防衛力を底上げする方針を堅持している。

ナイトフォール計画はイギリスやウクライナ双方に技術的・戦術的な意義を持つとみられる。イギリス側はこの取り組みを通じて国内防衛産業の活性化と革新を促進しつつ、ウクライナの自国防衛能力の向上に寄与することを目指している。また、このミサイル技術は将来的に英国軍自体の長距離打撃能力強化にも資すると予想されている。

イギリス政府関係者はこのプロジェクトを通じて欧州の安全保障環境全体の安定にも貢献したいとの考えを示している。ウクライナ戦争が長期化する可能性が指摘される中、ウクライナに対する継続的な軍事・戦術支援は西側諸国の共通課題となっている。イギリスの弾道ミサイル開発はこうした支援の新たな局面を象徴する動きとして国際的な注目を集めている。

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