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イギリス裁判所「パレスチナ・アクションのテロ組織指定は違法」

パレスチナ・アクションはスターマー政権によるイスラエル支援や武器供給を批判し、各地で抗議活動を展開してきた団体である。
2026年2月13日/イギリス、ロンドンの高等裁判所前、パレスチナ・アクションの支持者たち(AP通信)

イギリス・ロンドンの高等法院は13日、政府が反イスラエル活動を展開する団体「パレスチナ・アクション」をテロ組織に指定し、活動を全面的に禁止した決定について「違法かつ不当である」との判断を下した。しかし、政府が控訴の準備を進めているため、禁止令は当面そのまま維持されることになった。

高等法院の3人の判事は、パレスチナ・アクションの活動の「性質・規模・持続性」が、イギリスのテロ対策法に基づいて禁止措置を正当化する水準には達していないと指摘した。また「禁止の決定は比例原則に反しており、不当である」とした。

パレスチナ・アクションはスターマー政権によるイスラエル支援や武器供給を批判し、各地で抗議活動を展開してきた団体である。昨年6月には空軍基地に侵入し、航空機に損傷を与える行為を行ったことなどが問題視され、政府は同団体を国際テロ組織アルカイダやハマスと同列のテロ組織に指定した。これにより、団体への加入や支援を示す行為は最大14年の懲役刑が科される犯罪とされた。

政府の禁止措置以降、「I support Palestine Action(私はパレスチナ・アクションを支持する)」と書かれたプラカードを掲げて抗議した2700人以上が逮捕され、このうち約700人がテロ対策法に基づき起訴された。だがこれまで同法違反での有罪判決は出ていない。支援者や人権団体は、平和的な抗議デモに対する逮捕が言論の自由や集会の権利を踏みにじるものだとして強く批判していた。

パレスチナ・アクションの創設者は高等法院の判断について、「イギリスにおける基本的自由と、パレスチナの人々の自由をめぐる闘いにとって歴史的な勝利だ」と評価した。また今回の決定は「近年の英国史における言論の自由への最も極端な攻撃の一つ」を覆したと述べている。

これに対し、内務省は判決を受け入れられないとし、控訴裁判所での判断を求める意向を表明した。一方で高等法院は、テロ対策法を用いなくとも、違法行為については通常の刑法で対処可能であるとの見解も示した。

判決後、ロンドン警視庁は現在の判断に照らしてパレスチナ・アクションへの支持を示しただけで逮捕することは控える方針を示した。ただし、今後の法的手続きや控訴の結果次第で状況は変わる可能性がある。

この判断は反テロ法の適用範囲や表現の自由の保護についてイギリス社会での議論を再燃させるとみられている。政府の安全保障政策と市民の抗議活動の自由のバランスを巡る法的な争いは今後も続く見込みである。

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