◎EUの規則により、ブロック外(非加盟国)から入国する個人は、肉や乳製品などを持ち込めなくなった。
◎オランダの税関「1月1日以降、個人がイギリスから食品を持ち込むことは許可されません。EUの規則を同業者に広めてください。これは食品の廃棄を防ぎ、貿易をスピードアップさせるために必要なことです」
報道によると、オランダの国境警備隊はイギリスから入国した運転手のハムサンドイッチをブレグジット後の規則に基づき没収したという。
EUの規則により、ブロック外(非加盟国)から入国する個人は、肉や乳製品などを持ち込めなくなった。(ハンバーガーに肉が入っていれば、ハンバーガーごと没収される)
規則を失念していたイギリスの運転手は、国境警備隊に大切なハムサンドイッチを奪われ困惑した。
オランダの国境警備隊はテレビネットワークNPO1が放送した映像の中で、「ブレグジット後、イギリスからオランダに入国する個人は、肉、果物、野菜、魚などの特定の食品を持ち込めなくなった」と述べた。
当局者はイギリスの運転手がサンドイッチを持っていることに気づき、「その中に肉は含まれているか?」と尋ねた。
運転手が肉入りであることを認めると、当局者は、「わかった。私はあなたからサンドイッチを没収しなければならない」と答えた。
困惑した運転手が「パンはよいのだろう?」と尋ねると、当局者は、「いいえ、すべて没収する。ブレグジットへようこそ。ごめんなさい」と述べた。
イギリスは2020年12月31日をもってEUから正式に離脱し、旅行、貿易、移民、安全保障などに関する新しい取り決め(EUーUK通称協定)を発効した。
イギリス政府はEUに頻繁に出入りする商用ドライバー向けのガイダンスを発行し、個人の物の持ち込みに対する追加の制限に注意するよう警告している。
ガイダンスには、「肉や乳製品(ハムとチーズのサンドイッチなど)を含むPOAO(動物由来の製品)をEUに持ち込むことはできません」と書かれている。
また、「特定の乳児用調製粉乳、乳児食、特別食品、または特別加工ペット飼料などについては、別の規則が適用される」という。欧州委員会はウェブサイトの中で、「そのような商品は動物の健康に脅威を与え続けているため、持ち込みを禁止する」と書いている。
欧州委員会(ウェブサイトより):
「口蹄疫や豚コレラなどの動物の病気を引き起こす危険な病原体は、肉、牛乳などの製品に存在する可能性があると指摘されています」
オランダの税関はフェリーターミナルで運転手から没収した食品の写真を公開した。
同庁は、「1月1日以降、個人がイギリスから食品を持ち込むことは許可されません。EUの規則を同業者に広めてください。これは食品の廃棄を防ぎ、貿易をスピードアップさせるために必要なことです」と述べた。
BBCニュースの経済学編集者のファイサル・イスラム氏は、「ハムサンドイッチや他のサンドイッチの持ち込みが禁止されたことを理解しなければならない。個人の持ち込みの制限はEU外では当たり前のことだ」と述べた。
Dutch customs on Dutch TV taking away drivers’ ham sandwiches on ferry from UK arriving at Hook of Holland, also put seized food shopping (Waitrose?) on facebook - this is a standard implication of Brexit deal, long indicated in prep documents both in UK and EU... pic.twitter.com/zn2m7VovJI
— Faisal Islam (@faisalislam) January 11, 2021
貿易協定の要点
・高い関税は回避された。(関税ゼロを維持)
・英ーEU間の自由な往来はできなくなる。(イギリスの市民はビザなしでEUで働き、生活し、勉強し、ビジネスを始める権利を失った)
・国境チェックは英⇔EU加盟国間に適用。
・アイルランド共和国と北アイルランドの間に厳しい国境チェックは適用されない。
・新漁業規則への移行期間は5年。その間、ヨーロッパの漁業者は保護される。
・環境を保護するという共通のコミットメントを維持。
・労働者の権利を保護するという共通のコミットメントを維持。
・税の透明性に関する基準を維持。
・運輸部門における乗客と労働者の権利を維持。
・イギリスはホライゾンヨーロッパなどのEUプログラムに継続的に参加する。
・イギリスからEUに入国する個人は、肉や乳製品などの特定の商品を持ち込めなくなった。(EUからイギリスに入国する場合も同様の規則が適用される)