BBCニュースによると、イギリスとEUはブレグジット後の貿易協定に大きな影響を与える重要な局面に入ったという。
EUのミシェル・バルニエ首席交渉官は、「イギリスの漁業水域へのアクセスと漁獲可能量」の対立について、「残り数時間で合意に至る」と述べた。
しかし、ボリス・ジョンソン首相は「対立の解消にはまだ至っていない」と警告している。
EUは新たな貿易協定を発効するためには、遅くとも12月20日までに結論を出したいと述べている。
イギリスとEUの暫定貿易協定は12月31日に失効する。
合意なきブレグジットが現実になった場合、双方の取引には世界貿易機関(WTO)のルールが適用される。結果、商品の売買に高い関税がかかり、コロナウイルスに痛めつけられている企業と市民の生活は一段と苦しくなる可能性がある。
バルニエ氏は18日の議会の中で、「合意に至る可能性はあるものの、道は非常に狭い」と述べた。
バルニエ氏は先日、EU加盟国の水産大臣と会談し、漁業権に関する今後の交渉などについて話し合ったと伝えられている。
ジョンソン首相は自国に有利な漁業取引を望んでいるが、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長やイギリスの水域で利益を上げているフランスのエマニュエル・マクロン大統領などはこれに反発している。
バルニエ氏は議会で、「EUの漁獲可能量が減らされた場合、イギリス企業のEU市場へのアクセスに新たな条件を課す」と警告した。
ジョンソン首相はこの発言に対し、「交渉を投げ出すつもりはないが、今のままでは解決は困難に思える。合意を望むのであれば、イギリスのテーブルに座るべきだ」と促した。
・貿易協定交渉は延長戦に突入
2021年1月1日から変わること
・イギリス政府はEU市民に移民システムを適用する。
・旅行規則が変更されるため、双方の市民はパスポートをチェックしなければならない。
・健康保険と運転資格の見直しも必要。
・イギリスはEU予算の支払い義務から解放される。
・双方の企業は取引の際、より多くの事務処理に直面する。
ミシェル・バルニエ首席交渉官「漁業が依然として主要な障害」
合意なきブレグジットが現実になった場合
・世界貿易機関(WTO)のルールが適用され、貿易に高い関税がかかる。
・厳しい承認過程と税関検査が導入される。
・厳しい承認過程と税関検査が導入されることで、大型トラックの大渋滞が発生する。生鮮食品の輸送は特に影響を受けやすい。
・イギリスの領海内での漁業が制限される。また、魚の輸出にも関税がかかるため、漁業関係者は大打撃を受ける。
・双方の間で売買する商品の価格が上昇する可能性がある。