◎1990年代のユーゴスラビア崩壊以来、バルカン半島ではいまだに多くの銃器が個人宅に保管されている。
ボスニア・ヘルツェゴビナ北西部の中学校で銃撃事件があり、3人が死亡、容疑者が重体となっている。警察が21日、明らかにした。
それによると、現場は首都サラエボの北西約300キロに位置する町の中学校内。現地時間午前10時頃に銃撃があり、同校の職員とされる男が3人を射殺し、自殺を図った。
現場で対応に当たった警察の責任者はAP通信の取材に対し、「容疑者は自動小銃を所持し、3人を射殺した後、自殺を図り、近くの病院に搬送されたが、意識不明の重体である」と語った。
それによると、校長を含む3人は現場で死亡が確認されたという。
ボスニアは現在夏休み期間中。同校ではこの日、補習が行われていた。
地元テレビ局は関係者の話しとして、「容疑者は学校の経営陣と揉めていた」と伝えているが、詳細は不明だ。
1990年代のユーゴスラビア崩壊以来、バルカン半島ではいまだに多くの銃器が個人宅に保管されている。
国連開発計画(UNDP)が2010年に公表したデータによると、ボスニアでは約75万丁の銃が市場に流通しているとされる。
クロアチア北東部では先月、退役軍人(51歳男)が老人ホームで銃を乱射し、6人が死亡、6人が負傷した。
セルビアでは昨年5月、10代の若者が学校内で父親の銃を乱射。児童9人と警備員1人が死亡した。その翌日には首都ベオグラード郊外で20歳の男が銃を乱射、9人を殺害した。