クロアチア東部で移民船転覆、1人死亡、1人拘束
事故はボスニア国境近くで発生。濃霧の中で川を渡ろうとしていた際に転覆したとみられている。
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クロアチア東部のサバ川で11日未明、移民を乗せた小型船が転覆し、少なくとも1人が死亡、複数人が負傷した。当局が明らかにした。
事故はボスニア国境近くで発生。濃霧の中で川を渡ろうとしていた際に転覆したとみられている。救助隊が現場に出動し、救助活動を行った。移民たちの国籍は明らかにされていない。
内務省によると、救助隊が午前5時30分ごろ通報を受けてサバ川に向かい、転覆した船から複数の人々を救出した。消防は当初、3人が亡くなったと報告したが、その後1人に訂正した。
救助された人々は近くの病院に搬送された。現場付近では濃い霧が発生しており、視界不良が事故の一因とみられている。
警察はこの事故に関連して、ボスニア出身とみられる男を密航幇助の疑いで拘束。この男も病院に搬送されている。
移民たちがどの国から来たのか、詳しい背景はまだ公表されていない。
クロアチアはバルカン半島を通る移民・難民ルートの重要な通過点となっている。多くの移民は中東、アフリカ、アジアなどでの紛争・貧困を逃れ、トルコやギリシャを経由して陸路で北マケドニア、セルビアを通りクロアチアに入るルートを利用しているとみられる。このバルカン・ルートは近年、多くの人々が利用しており、密航や危険な川・海の渡航といったリスクが繰り返し問題となっている。
欧州各国では移民流入の抑制や安全な移動経路の確保、密航取締り強化などが引き続き課題となっている。専門家は移民が合法的な渡航手段を得られない状況が続く限り、危険な密航が後を絶たず、今回のような死傷事故が再び発生する可能性があると指摘している。欧州全体での移民・難民政策の調整や救助体制の強化が求められている。
クロアチア当局は事故原因の調査を進めるとともに、同国内外の関係機関と連携し、こうした悲劇の再発防止に向けた取り組みを強化する意向を示している。
