◎ウクライナは欧米諸国に対し、供与した長距離兵器でロシアへの攻撃を許可するよう繰り返し求めている。
2024年9月13日/米ワシントンDCホワイトハウス、バイデン大統領(左)とスターマー英首相(AP通信)

米国のバイデン(Joe Biden)大統領とイギリスのスターマー(Keir Starmer)首相が13日、ホワイトハウスで会談し、ウクライナ戦争などについて協議した。

スターマー氏は会談後の記者会見で、「ウクライナに供与した長距離兵器でロシア領を攻撃してもよいとウクライナに伝えるか?」と問われると、「私はバイデン大統領と生産的な話し合いをした」と述べるにとどめた。

ウクライナは欧米諸国に対し、供与した長距離兵器でロシアへの攻撃を許可するよう繰り返し求めている。

イギリスはウクライナに対し、射程が250キロを超える長距離巡航ミサイル「ストームシャドー(Storm Shadow)」を複数供与している。

米国も長距離兵器を供与しているが、射程を制限するなど、ロシアを必要以上に刺激しないよう心掛けてきた。

ホワイトハウスによると、両首脳はイランと北朝鮮がロシアに殺傷力のある兵器を提供していることに深刻な懸念を示したという。

今回の首脳会談に先立ち、ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領はウクライナに供与した長距離兵器でのロシアへの攻撃を容認する決定を下せば、西側の戦争への直接関与が深まることになると警告した。

バイデン氏は会談前、記者団に対し、「プーチンのことはあまり考えていない」と述べ、必要以上にロシアの報復・警告を恐れる必要はないと示唆した。

米英両政府はエスカレートを恐れて、ウクライナにロシアへの長距離ミサイルの使用許可を与えていない。

しかし、ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は西側同盟国に対し、使用を許可するよう繰り返し求めている。

ロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ウクライナの都市と前線はロシア領内から発射されるミサイルと砲弾にほぼ毎日さらされてきた。

ウクライナ軍は長距離兵器でロシア領内の奥深くにある軍事基地や戦闘機を破壊すれば、被害を減らせると主張している。

イギリスはウクライナ軍がロシア西部クルスク州への越境攻撃を開始した後、「ウクライナにはイギリスが提供する武器を自衛のために使用する明確な権利があり、それはロシア国内での作戦を排除するものではない」という見方を示していた。

しかし、イギリスは依然として、ストームシャドウでロシア領内を攻撃することを許可していない。

米国は今年初め、ウクライナに長距離兵器を供与したが、他の西側同盟国と同様、ロシア国内の奥深くにある標的への使用は認めていない。

米国のカービー(John Kirby)大統領補佐官は首脳会談前、ウクライナに供与する長距離兵器の使用をめぐる米国の政策に変更はなく、新たな発表がなされる予定もないと言明していた。

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