◎ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は4日、「両首脳は問題について協議し、結論を出す」と述べた。
2021年12月4日/ロシア、クレムリン、統一ロシア党創設20周年を祝う会議、ウラジーミル・プーチン大統領(Mikhail Metzel/Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)

12月4日、米ホワイトハウスはジョー・バイデン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるオンライン首脳会談を12月7日に行うと発表した。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は4日の定例会見で、「米国はウクライナの主権と領土に関するウクライナの主張を支持する」と述べた。

一方、プーチン大統領は3日の声明で、米国にウクライナ東部の国境付近におけるNATO(北大西洋条約機構)兵力の増強と、ウクライナのNATO加盟を認めないよう要求した。しかし、バイデン大統領は3日、記者団の取材に対し、「私は誰のレッドラインも受け入れない」と述べ、プーチン大統領の要請には応じないと示唆した。

プーチン大統領はウクライナ東部のNATO軍増強を「レッドライン」と呼び、それを実行すれば取り返しのつかない事態を招くと警告していた。

ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は4日、「両首脳は問題について協議し、結論を出す」と述べた。

一方、AP通信やワシントン・ポスト紙などによると、米国の諜報機関はロシアがウクライナ東部の国境付近に兵士推定70,000人を配備し、来年1月に電撃戦を展開する可能性があると報告した。

また主要メディアによると、ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相は3日、ロシアはウクライナ東部近郊とクリミアに兵士推定94,300人を配備したと明らかにし、「年明けに大規模なエスカレーションに発展する可能性がある」と警告していた。

ロシアは2014年にウクライナ南東部のクリミア半島を併合し、クリミアを「自国の領土」と宣言したが、国際社会はこれを認めていない。

その後、クリミアの北東部に位置するドネツクとルハンシクの分離主義者はウクライナからの独立を宣言した。ロシアは「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認したが、西側諸国とウクライナは分離主義者をテロリストと見なしている。

ウクライナと分離主義者は2015年の停戦協定ミンスクⅡに合意したが、合意以降も各地で小競り合いを続けており、一部の専門家は今回の問題でドンバス戦争が再燃し、ロシアのウクライナ侵略につながる可能性があると懸念を表明した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先月末、ウクライナの実業家で元議員のリナト・アフメトフ氏とロシア人がクーデターに関する話し合いを行ったと述べ、「会話の音声データを持っている」と主張した。

ゼレンスキー大統領は地元メディアのインタビューの中で、12月1日に大統領府周辺で大規模な抗議デモが予定されていると危機感を示したが、クーデターやそれをうかがわせる事件は発生しなかった。

AP通信によると、バイデン大統領は来週、ゼレンスキー大統領ともオンラインで協議する予定だという。

ホワイトハウスのサキ報道官は3日の定例会見で、「ロシアが前進するのであれば、米国は欧州の同盟国と調整する」と述べた。米オバマ政権は2014年のクリミア併合の際、ロシアに制裁を科したが軍事介入は避けた。親ロシアのドナルド・トランプ前大統領もクリミア併合は認めていない。

サキ報道官は、「私たちはプーチン大統領が過去に何をしたかを知っている」と述べた。「世界はロシアが行動を起こす力を持っていることを知っています...」

米ロ関係はバイデン大統領の就任以来、悪化の一途をたどっている。

バイデン大統領はロシアのサイバー攻撃に制裁で反撃し、野党指導者アレクセイ・ナワルニー氏の投獄を厳しく非難した。

バイデン大統領は6月の米ロ首脳会談で、ロシアがレッドライン(米国インフラへの攻撃やウクライナ侵攻など)を越えた場合、米国は対応し、「その結果は壊滅的なものになる」と警告した。

2021年6月16日/スイス、ジュネーブのヴィラ・ラ・グランジ、ジョー・バイデン大統領とウラジーミル・プーチン大統領(Getty Images/AFP通信/Pool)
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