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ドイツ・ベルリンで大規模停電、送電線損傷、左翼過激派が犯行声明

ベルリン市当局はこの停電を「政治的動機による攻撃」と断定し、極左過激派による放火の可能性があるとして捜査を進めている。
2026年1月3日/ドイツ、首都ベルリンの老人ホーム前(AP通信)

ドイツ・ベルリン南西部で1月3日朝、送電ケーブルが火災で損傷し、約4万5000世帯と約2100の事業所が停電する大規模な電力供給障害が発生した。ベルリン市当局はこの停電を「政治的動機による攻撃」と断定し、極左過激派による放火の可能性があるとして捜査を進めている。

火災は運河上に敷設されているケーブル橋で発生、近隣の地区にある発電所付近の高圧線が損傷したとされる。この影響で電力のほか、暖房やインターネットなどのサービスも広範囲で停止し、特に老人ホームや病院、社会福祉機関などの生活基盤にも大きな影響が出た。

ベルリン市は声明で「数万の家庭や企業、病院や社会施設が大きな被害を受けた」と述べ、現状の深刻さを強調した。電力は4日までに一部回復したものの、当局は多くの地域で停電が8日頃まで続く可能性があると見ている。復旧作業は雪による悪天候や低温の影響で遅れているという。

当局は放火の疑いが強く、政治的動機を背景とする「左翼過激派」の関与を指摘している。ベルリン市長は地元メディアを通じて「左翼過激派による攻撃だ」と述べ、「我々の電力網を攻撃し、人命を危険にさらしたことは容認できない」と非難した。捜査当局は事件直後に発表された犯行声明の真正性を確認中だとしている。

今回の停電は、昨年9月にベルリン南東部で発生した送電鉄塔への放火による停電と類似しているとの指摘もあり、過激派によるインフラへの攻撃が繰り返されている可能性がある。9月の事件でも大規模停電が起き、一部のグループが関与を主張する声明を出していた。

停電は複数の地区に及び、寒波と重なったことから市民生活への影響は深刻だ。停電地域では緊急シェルターが設置され、警察車両が回って住民に避難や安全確保の情報を呼びかけるなど対応に追われている。

電力会社は損傷した高圧線の修復に時間を要するとし、全面復旧は数日を要する見通しを示している。また、信号機の停止など公共交通への影響も出ており、当局は市民に対し懐中電灯や予備バッテリーの利用を呼びかけている。

ベルリン当局は今回の事件を重要インフラへの攻撃と位置づけ、国内の安全保障上の重大な懸念として対処している。停電被害の拡大とともに、政治的動機についても国全体で議論が進む見込みである。

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