SHARE:

ベルギー当局がEU外交本部を家宅捜索、3人逮捕

捜索・逮捕はEPPO(欧州検察庁)が主導、詐欺捜査の一環である。
ベルギー、ブリュッセルのEPPO前(AP通信)

ベルギー当局は2日、EEAS(欧州対外行動庁)本部などを家宅捜索し、3人を逮捕したと発表した。

捜索・逮捕はEPPO(欧州検察庁)が主導、詐欺捜査の一環である。

問題とされているのは、EU加盟国の若手外交官を対象とした育成プログラムを巡る入札手続きだ。EEASが主催した2021〜2022年のアカデミー運営権を付与した際、公正な競争義務や機密情報保護義務が遵守されたかについて、EEPOは「強い疑いがある」として捜査を開始。具体的には、入札情報が公示される前にアカデミー関係者へ内部情報が漏れた可能性があり、不正な便宜供与や利益相反、機密保持義務違反があったかを調べている。

捜査に先立ち、EPPOは容疑者数人の外交的免責特権の取消しを要請、これが認められた上で今回の捜査および逮捕が実施された。

捜索はEEASの建物数棟およびアカデミー施設、さらに容疑者の私邸にまで及び、EUの汚職対策機関であるOLAFも捜査に協力している。

地元紙などによると、逮捕された人物の1人には、かつてEUの外交政策を統括していた高官が含まれているという。

他にも、EEASの前事務局長が逮捕される可能性も報じられている。ただし、これらの高官はいずれも公式には確認されておらず、容疑者の氏名についても当局は明らかにしていない。

EEASは警察の捜索があったことを認めたものの、今回の捜査や逮捕者、具体的な容疑内容にはコメントを控えており、詳細については「言及できない」としている。

EPPOは声明で、入札手続きにおける公正取引義務の重大な違反ならびに機密情報の不適切な取り扱いは、EUの財政的利益に対する犯罪にあたる可能性があると指摘している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします