◎ロシアのウクライナ侵攻を応援する独裁者のルカシェンコ大統領は2020年8月の大統領選で勝利を主張。その後の抗議デモを鉄拳でねじ伏せた。
ベラルーシのジャーナリストが抗議デモを取材した罪で禁固3年を言い渡された。人権団体「ビアスナ人権センター」が30日、明らかにした。
それによると、首都ミンスクの地方裁判所は2020年の抗議デモを取材し、虚偽の情報を拡散した罪に問われている男性に禁固3年を言い渡したという。
男性は昨年6月に逮捕され、刑務所に収監。獄中で健康状態が悪化した。
ベラルーシ・ジャーナリスト協会は声明で、「表現の自由を侵害するルカシェンコ政権の弾圧を許してはならない」と非難した。
それによると、この男性は健康状態が悪化したにもかかわらず、適切な医療を受けられず、狭い懲罰房に何度も押し込まれたという。
ビアスナは声明で、「写真を撮るという仕事を遂行したカメラマンに3年の実刑判決を下すなど考えられないし、とんでもないことだ」と非難した。
またビアスナはルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の支配下に置かれる同国の人権状況を「欧州最悪」と評した。
ビアスナによると、少なくとも35人のジャーナリストが恣意的に逮捕され、裁判を待つか、実刑判決を受け刑務所に収監されている。
ロシアのウクライナ侵攻を応援する独裁者のルカシェンコ氏は2020年8月の大統領選で勝利を主張。その後の抗議デモを鉄拳でねじ伏せた。
西側はこの選挙結果を認めず、ルカシェンコ政権に厳しい経済制裁を科している。
抗議デモは数カ月にわたって国を席巻し、数十万人が街頭に繰り出した。治安当局は3万5000人以上を逮捕、数千人を残酷に殴打し、数百の独立系メディアやNGOを過激派に指定、非合法化した。