◎人権団体「ビアスナ人権センター」は20人の共同声明を発表。「告発は政治的な動機に基づく弾圧にほかならず、公正な裁判など期待できない」と断じた。
ベラルーシ当局が5月31日、大学やシンクタンクで働く20人の著名な政治アナリストの欠席裁判手続きを開始した。
この20人は全員ベラルーシを離れており、国家反逆罪などに問われている。有罪となった場合は禁固12年以下に処され、国内の資産を差し押さえられる可能性がある。
人権団体「ビアスナ人権センター」は20人の共同声明を発表。「告発は政治的な動機に基づく弾圧にほかならず、公正な裁判など期待できない」と断じた。
プーチン(Vladimir Putin)露大統領の丁稚奉公である独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は2020大統領選後の抗議デモを力でねじ伏せ、野党指導者を含む多くの反体制派を弾圧した。
西側諸国はこの選挙を「茶番」と一蹴し、ベラルーシに厳しい経済制裁を科している。
この弾圧で3万5000人以上が逮捕され、数千人が拘留中に暴行を受け、数百の独立系メディア、NGO、人権団体が閉鎖に追い込まれた。
それ以来、政治家を含む約50万人がベラルーシを離れている。
国家保安委員会(KGB)は今年、ルカシェンコ政権への制裁強化を求める在外ベラルーシ人に対する取り締まりを強化。国外でのパスポート更新を認めないなどの措置を取っている。
KGBによると、国家反逆罪などに問われている多くの在外ベラルーシ人が大統領選に出馬したチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏を支持したり、応援する集会を開いたりしているという。