◎治安当局は2020大統領選の結果に抗議する市民を弾圧。3万5000人以上を逮捕し、数千人を殴り飛ばした。
ベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」が15日、同国の刑務所で政治犯に対する暴行が常態化していると告発した。
独立系メディアはビアスナの話しとして、「ある受刑者は刑務官に何度も殴打され、健康状態が悪化している」と報じている。
このメディアはポーランドに拠点を置き、ベラルーシ国内で秘密裏に活動している。ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は政権に批判的なメディアを過激派に指定し、活動を禁じている。
暴行を受けたという女性受刑者は面会に訪れたビアスナ職員にトイレットペーパーの切れ端を渡した。それには「刑務官に何度も殴られ、殺されそうだ」と書かれていた。
この女性は38歳で、抗議デモに参加し、公共の治安を乱した罪で今年1月に禁固6年半を言い渡された。
女性は「刑務官に腹を蹴られたり、頭を殴られたりした」と書いている。
1994年からベラルーシを統治するルカシェンコ氏はビアスナを過激派に指定。国内での活動を禁じている。
ビアスナの創設者であり、2022年にノーベル平和賞を受賞した人権活動家ビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏も政治犯のひとりだ。同氏は禁固10年の刑に服している。
治安当局は2020大統領選の結果に抗議する市民を弾圧。3万5000人以上を逮捕し、数千人を殴り飛ばした。
このデモに参加した女性は憎悪を扇動し、内務省職員の仕事を妨害した罪で実刑判決を受けた。
ビアスナによると、女性の健康状態は殴られた後に悪化し、必要な治療を受けられずにいるという。
女性は「ある刑務官に投げ飛ばされ、木の柵に頭をぶつけた」と書いている。それによると、女性は治療を受けたいと懇願したが、何の対応もなかったという。
ビアスナによると、この女性は禁固12年の刑に服している独立系メディアの編集長と同じ独房に入れられているという。