◎ウクライナ侵攻に参加しているルカシェンコ大統領は27年にわたってベラルーシを鉄の拳で支配している。
2022年2月16日/ベラルーシ、首都ミンスクの投票所(Alexander Zemlianichenko Jr/AP通信)

2月27日、ベラルーシで憲法改正の是非を問う国民投票が始まり、2035年まで独裁者アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の権力が維持されることがほぼ確定した。

ウクライナ侵攻に参加しているルカシェンコ大統領は27年にわたってベラルーシを鉄の拳で支配している。

首都ミンスクの投票所で投票した男性はAP通信の取材に対し、「結果は開票前から決まっている」と語った。「ルカシェンコは権力を維持するでしょう。反対意見はねじ伏せられます...」

ベラルーシは今回の憲法改正で中立の地位を捨て、ロシアとの軍事協力を強化する。ロシアは軍事演習を口実にベラルーシの領土に軍隊を配備し、ウクライナに攻め込んだ。

また、ルカシェンコ大統領が廃止した大統領の任期制限(2期5年)が復活する。しかし、この制限は「新たに選出された大統領」が就任した場合にのみ有効となり、ルカシェンコ大統領は2025年に現在の任期が満了した後、さらに2回立候補する機会を与えられることになる。

一部の野党議員は国民投票を「偽物」と呼び、国民にボイコットを呼びかけている。「ルカシェンコ選挙委員会は投票用紙を速やかに焼却し、都合の良い開票結果を発表するでしょう...」

ベラルーシの初代大統領であるスタニスラフ・シュシケビッチ氏はAP通信のインタビューの中で、「ルカシェンコはベラルーシから未来を奪い、この国をプーチンの狂気のゲームの中継地にしている」と憤慨した様子で語った。「ルカシェンコに選択肢はありません。彼はすでに国を失っているのです!」

ルカシェンコ大統領は2020年の大統領選挙後に発生した数十万人規模の抗議デモに悩まされ、プーチン大統領に助けを求めた。西側諸国は選挙結果を「茶番」と呼び、ルカシェンコ大統領と政府高官に制裁を科している。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は27日のビデオメッセージの中で、「ベラルーシがロシア侵攻の中継地として使われている」と憤慨した。「ウクライナはソ連の一部としてベラルーシとウクライナがナチスの侵略に直面した第二次世界大戦以来見られなかった規模の攻撃に直面しています...」

ゼレンスキー大統領はベラルーシに行動を改めるよう強く促した。「ロシア軍はあなたの領土からウクライナに向けてミサイルを発射しています。ロシア軍はあなたの領土からウクライナの子供を殺し、家を破壊し、何十年もかけて作られたものをすべて吹き飛ばそうとしています...私たちは隣人です。ロシアではなくベラルーシになりなさい!」

ルカシェンコ大統領はこの演説に素早く反撃し、ウクライナを「米国の操り人形」と呼び、責任はNATO加盟を目指したウクライナにあると非難した。西側諸国はベラルーシにも新たな制裁を科している。

ルカシェンコ大統領は27日の演説で、「西側の更なる制裁は世界を第三次世界大戦の瀬戸際に追いやっている」と不吉な警告を発した。

またルカシェンコ大統領は、「私はマクロン仏大統領との電話会談の中で、米国がNATO加盟国のポーランドとリトアニアに核兵器を配備するのであれば、ベラルーシはロシアの核兵器を配備するつもりでいると言った」と明らかにした。「私とプーチン大統領はベラルーシを保護する計画に合意しています...」

2020年の抗議デモに参加した市民は厳しい弾圧に直面し、35,000人以上が逮捕され、数千人が残酷に殴打された。大統領選挙に立候補したスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏を含む野党の主要人物は亡命を余儀なくされている。

2021年5月25日/リトアニア、首都ビリニュス、ベラルーシの野党党首スヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏(AP通信/Mindaugas Kulbis)
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