◎ロシア軍はベラルーシ領内に兵士を1万人ほど待機させ、合同軍事演習を行いながら「機会」を伺っている。
ベラルーシのルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は19日、隣国ウクライナの戦闘が安全保障に影響を与える可能性があるとして、新たな領土防衛部隊を結成すると明らかにした。
ルカシェンコ氏はプーチン(Vladimir Putin)大統領の盟友であり、ロシア軍の駐留を許可し、ウクライナへの攻撃を支援している。
英国防省などによると、ロシア軍はベラルーシ領内に兵士を1万人ほど待機させ、合同軍事演習を行いながら「機会」を伺っているという。
ルカシェンコ氏は19日の閣議で「ウクライナの侵略に備え、約4万5000人の治安部隊を補完する準軍事組織を結成する必要がある」という見方を示した。
またルカシェンコ氏は「国民は必要に応じて自分の命と家族を守るために、武器の扱い方を学ばなければならない」と述べた。
一部の独立系メディアは、「ルカシェンコはロシアの民間軍事会社ワグネルのような組織を設立したいと考えている」と報じた。
国防相は「15万人の志願兵で構成される領土防衛部隊を結成し、武器の携行を認めたうえで、民間軍事会社として任務を請け負ってもらう」と述べたが、結成時期などの詳細は明らかにしなかった。
この部隊は平時には予備役となり、戦争になれば「ゲリラ」として活動することになるという。
ルカシェンコ氏はロシアの侵攻を支持する一方、ウクライナが領土に攻撃を仕掛けた場合のみ、部隊を派遣すると強調している。
ロシアは2020年8月の不正大統領選で勝利を主張したルカシェンコ氏を支持することでベラルーシ野党に付け入るスキを与えず、数カ月にわたる大規模デモを抑え込むことに成功した。