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ベラルーシ大統領「リトアニアのトラック1000台以上を差し押さえる」国境閉鎖続く

リトアニアでは先月、首都ビリニュスの空港上空に数十機の小型熱気球が侵入。この影響で同空港は数時間にわたり閉鎖された。
2025年11月5日/リトアニアのベラルーシ国境近く、国境警備隊員(AP通信)

ベラルーシの独裁者であるルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は10日、リトアニア政府による国境閉鎖を改めて非難し、国境検問所で身動きが取れなくなっているリトアニアのトラック1000台以上を差し押さえると警告した。

リトアニア政府は先月末にベラルーシとの国境検問所を閉鎖。期間は1カ月間としている。

リトアニアでは先月、首都ビリニュスの空港上空に数十機の小型熱気球が侵入。この影響で同空港は数時間にわたり閉鎖された。

その後も同様の事件が相次ぎ、10月21日には数十個の気球がビリニュスの空港方向へ流され、約30便・4000人以上の乗客に影響が出た。

10月24~26日にも3日連続で気球が接近。3夜連続で滑走路が閉鎖され、多くの利用者が影響を受けた。

捜査の結果、気球の一部はベラルーシから密輸タバコを運んでいたことが明らかになった。

リトアニア当局はロシアの同盟国であるベラルーシが意図的に気球を飛ばしていると主張。ルカシェンコ氏はこれに異議を唱え、「リトアニア人が密輸タバコを入手するために気球を使っている」と主張している。

ルカシェンコ氏は10日、リトアニアの国境閉鎖を”狂気の沙汰”と非難し、「リトアニアがベラルーシにハイブリッド戦争を仕掛けている」と主張した。

またルカシェンコ氏はこの閉鎖により1200台余りのリトアニアのトラックがベラルーシ側で立ち往生していると指摘。「リトアニアが国境を再開しない場合、ベラルーシ当局がこのトラックを押収する可能性がある」と警告した。

リトアニアはトラックの通行を許可しているが、ベラルーシ側がこれを拒否。トラックだけでなく、全ての車両・個人の往来を認めるよう求めている。

一部の専門家はベラルーシが組織的に気球やドローンを使ってNATO加盟国の飛行機の運航を妨害している可能性があると指摘している。

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