◎両国は先週、主権防衛のための核兵器使用を容認する安全保障条約に調印した。
ベラルーシの独裁者であるルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は10日、同国がロシアの戦術核兵器を数十発保有し、ロシア軍の最新型極超音速ミサイルの配備計画のために施設を準備する予定だと明らかにした。
ルカシェンコ氏とプーチン(Vladimir Putin)大統領は先週、主権防衛のための核兵器使用を容認する安全保障条約に調印した。
この条約はウクライナ戦争をめぐる西側諸国との緊張が高まる中、ベラルーシを初めてロシアの核の傘下に置くという核ドクトリン(核抑止力の国家政策指針)の改定に続くものである。
ルカシェンコは声明でこう強調した。「私はすべての敵、友人と敵対する者、国境を踏み越える者に警告する。それはすべてを断ち切る。一瞬だ...」
戦術核は戦場での使用を目的としたもので、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの長距離兵器に搭載される核弾頭に比べると射程が短く、威力も低い。
ルカシェンコ氏は1994年に就任して以来、鉄の拳でベラルーシを支配してきた。
ロシアはベラルーシに配備した戦術核の数を明らかにしていないが、ルカシェンコ氏は10日、数十発の核兵器を保有していると述べた。
またルカシェンコ氏はロシアが配備した弾頭は「1ダース以上」であると強調した。「西側諸国はその配備を追跡できなかった...」
両国は今年、戦術核兵器の使用を想定した合同軍事演習を複数回行った。演習ではロシアがベラルーシに供与した戦術核を搭載可能な地上発射型ミサイルシステム「イスカンデル」の運用確認や、核爆弾を搭載できる爆撃機による飛行訓練などが行われた。