ベラルーシ当局、著名な野党指導者ら14人を解放

2020大統領選の有力候補であったチハノフスキー氏は「ルカシェンコ氏に逆らった罪」で禁固18年を宣告された。
ベラルーシの野党指導者チハノフスカヤ氏(Getty Images/AFP通信)

ベラルーシ当局がリトアニアに亡命中の野党指導者チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏の夫であるチハノフスキー(Siarhei Tsikhanouski)氏を釈放した。チハノフスカヤ氏が21日、明らかにした。

チハノフスキー氏は大統領選への立候補を目指した著名な野党指導者のひとり。独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領を声高に批判してきた。

チハノフスカヤ氏がテレグラムに投稿した動画には、頭をそり上げ、満面の笑みを浮かべて白いミニバスから降りるチハノフスキー氏の姿が映っていた。

支持者たちが拍手を送る中、夫婦は5年ぶりに再会した。

2020大統領選の有力候補であったチハノフスキー氏は「ルカシェンコ氏に逆らった罪」で禁固18年を宣告された。

現地メディアによると、チハノフスキー氏を含む14人の政治犯は21日にリトアニアの首都ビリニュスに到着したという。

この数時間前、トランプ米政権のケロッグ(Keith Kellogg)特使(ウクライナ・ロシア担当)がルカシェンコ氏と会談したと明らかにしていた。

チハノフスカヤ氏は記者団に対し、「私の夫は解放されたが、他の1100人以上の政治犯を解放するための闘いは終わっていない」と語った。

ルカシェンコ氏は1994年に就任して以来、一貫して野党、人権団体、独立系メディアを弾圧してきた。

2020年の大統領選では結果に抗議するデモを鉄の拳でねじ伏せ、数万人を逮捕、数千人を殴打した。

それ以来、多くの野党指導者や活動家が亡命を余儀なくされている。

人権団体「ビアスナ人権センター」によると、同国で収監されている政治犯は5月中旬時点で1177人。その中には22年にノーベル平和賞を受賞した人権活動家ビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏や野党指導者のコレスニコワ(Maria Kolesnikova)氏などが含まれている。

ビアスナは先月、刑務所に収容されていた政治犯が獄中死したと発表。2020年以降、拘留中に死亡した政治犯は8人となった。

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