◎ビアリアツキー氏はビアスナ人権センターの創設者であり、昨年、ロシアの人権団体「メモリアル」およびウクライナの人権団体「市民自由センター」と共にノーベル平和賞を受賞した。
ベラルーシの裁判所は3日、昨年ノーベル平和賞を受賞した人権活動家ビアリアツキー（Ales Bialiatski）氏に禁固10年の実刑判決を言い渡した。
欧州最後の独裁者であるルカシェンコ（Alexander Lukashenko）大統領はビアリアツキー氏を含む反体制派に汚名を着せ、弾圧し、刑務所に押し込もうとしている。
国営通信社ベルタによると、首都ミンスクの地裁はビアリアツキー氏と人権団体「ビアスナ人権センター」の職員3人に対し、反政府デモに資金を提供したなどとして実刑を言い渡したという。
ビアリアツキー氏はビアスナ人権センターの創設者であり、昨年、ロシアの人権団体「メモリアル」およびウクライナの人権団体「市民自由センター」と共にノーベル平和賞を受賞した。
一方、ルカシェンコ氏はプーチン（Vladimir Putin）露大統領の盟友であり、1994年からベラルーシを鉄の拳で支配してきた。
ルカシェンコ氏の命を受けた治安部隊は2020年8月の不正大統領選に抗議したデモ参加者3万5000人以上を拘束し、数千人を殴打した。
ベラルーシはロシアのウクライナ侵略を支持する数少ない国家のひとつであり、ロシア軍を後方から支援してきた。
ビアスナ人権センターは3日、「ビアリアツキー氏らは公序良俗に反する行為と密輸に関与したという虚偽の告発で実刑判決を受けた」と報告した。
ビアリアツキー氏は禁固10年、同僚3人には禁固7～9年が言い渡された。
ビアスナによると、裁判は完全非公開で行われたという。4人は2年近く勾留されている。
国営通信社ベルタが3日に公開した法廷写真には黒い服を着たビアリアツキー氏が写っていた。
ビアスナは声明の中で、「4人全員が無罪を主張した」と述べている。それによると、ビアリアツキー氏は法廷で「ベラルーシの内戦を止めろ」と判事に迫ったという。
またビアリアツキー氏はルカシェンコ氏の支配下に置かれる検察と司法を糾弾した。
