◎ロシアによるウクライナ侵攻を支援するベラルーシは軍備拡張を明言し、国境を接するNATO加盟国ポーランド、ラトビア、リトアニアをけん制している。
ベラルーシ議会は17日、東西対立の緩和を目的とした冷戦後の重要な軍縮条約である「欧州通常戦力(CFE)条約」の履行を停止する法案を全会一致で可決した。
プーチン(Vladimir Putin)露大統領の盟友である独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領がこの法案を提出。野党のいない議会を軽々と通過し、大統領府に送られた。
ロシアによるウクライナ侵攻を支援するベラルーシは軍備拡張を明言し、国境を接するNATO加盟国ポーランド、ラトビア、リトアニアをけん制している。
CFEは1990年に調印され、欧州に配備できる戦車、戦闘車両、戦闘機、重砲に制限を設けている。
これは西側とワルシャワ条約加盟国との軍事的バランスを保つことを目的としていた。
しかし、ロシアは昨年11月にCFEから脱退。NATO加盟国は履行を停止することでこれに対抗した。
ベラルーシはミサイルや軍隊とともにロシアの戦術核兵器を領内に保有。ウクライナへの攻撃を続けるロシアを支援する一方、戦争への直接参加は避けてきた。
国防省によると、CFEはベラルーシに対し、兵員数を10万人以下とするよう義務付けている。現在の兵員数(事務職含む)は約6万3000人、民間軍事会社を含む準軍事組織の戦闘員は11万人、予備役は30万人。