◎ロシアとベラルーシは来週から大規模な合同軍事演習を開始する予定。
9月1日、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領はロシアの戦闘機や防空ミサイルシステムを含む多くの兵器をまもなく受け取るだろうと述べた。
ロシアとベラルーシは来週から大規模な合同軍事演習を開始する予定である。地元メディアによると、演習に参加する両軍の兵士は20万人に達する見込みだという。
西側諸国はベラルーシに厳しい経済制裁を科している。ルカシェンコ大統領は昨年8月の不正大統領選挙で勝利を主張し、今年5月には反体制派ジャーナリストが搭乗した民間旅客機をベラルーシの空港に強制着陸させ、物議を醸した。
一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はベラルーシに対する西側諸国の制裁を批判し、ルカシェンコ大統領の再選とその他の物議を醸す行動を強く支持してきた。
西側諸国は昨年の大統領選挙の結果に抗議した市民35,000人以上が当局に逮捕され、少なくとも数千人が残酷に殴打されたことに憤慨したが、プーチン大統領は抗議者をテロリストと呼び、ルカシェンコ大統領を力づくで追放すればベラルーシにロシア軍を送ると警告した。
プーチン大統領の支持を得たルカシェンコ大統領は、西側諸国の圧力に対抗する努力の一環として合同軍事演習を実施すると説明した。「私たちの強固な軍隊は西に武器を向けています。戦争が始まればベラルーシ軍は最初に戦いに参加し、その背後に陣取っているロシア軍と共同防衛を形成します...」
ロシアはベラルーシに対する西側諸国の制裁を批判するだけでなく、ベラルーシに少なくとも15億ドルを融資した。ルカシェンコ大統領は声明の中で、「ロシアはまもなくベラルーシに戦闘機および戦闘ヘリ数十機と、最先端のS-400ミサイルシステムを含む防空兵器を提供する」と明らかにした。
「ベラルーシはS-400を手に入れます。ベラルーシ軍の防空システムは著しく強化されるでしょう..」
S-400「トリウームフ」は、ロシアで開発された同時多目標交戦能力を持つ超長距離地対空ミサイルシステムで、中国とインドにも輸出されている。ロシアは現在、S-500シリーズを開発していると伝えられているが、詳細は不明。
ルカシェンコ大統領は以前、「プーチン大統領はベラルーシを併合しようとしている」と主張し、何度もロシアを非難していたが、西側諸国の圧力の高まりを受け、ロシアと敵対するのではなく協力する道を選ばざるを得なくなった。
ルカシェンコ大統領は来週ロシアを訪問した際、両国の関係強化を目的とする一連の合意について話し合うと述べたが、「ベラルーシの独立が損なわれることはない」と強調した。「ベラルーシが主権を失うことはありません...」
しかし、ルカシェンコ大統領の保証にもかかわらず、ロシアは兵器を提供することと引き換えに、ベラルーシの併合に動くかもしれないという懸念が高まっている。
リトアニアに亡命したベラルーシの野党党首スヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏はAP通信の取材に対し、「ルカシェンコは西側諸国との軍事対立に巻き込まれ、主権を維持すると主張しているが、この主張は疑わしく信用ならない」と述べた。
「ロシアとベラルーシの合意にベラルーシの主権の保障は盛り込まれていません。ベラルーシの併合を企てる合意は見直さなければなりません」
2019年、ルカシェンコ大統領とプーチン大統領はロシアのソチで会談し、共同記者会見で「両国は明日、問題なく団結できる」と宣言した。