◎報道によると、警察はベラルーシジャーナリスト協会とビアスナ人権センターの事務所および、そのメンバーのアパートを捜索し、機器などを強奪したという。
2月16日、ベラルーシの警察は、独裁者のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領を批判するジャーナリストと人権活動家を襲撃した。
報道によると、警察はベラルーシジャーナリスト協会とビアスナ人権センターの事務所および、そのメンバーのアパートを捜索し、機器などを強奪したという。また、30人以上が一時的に拘束され、少なくとも3人は拘束されたままと伝えられている。
欧州評議会の人権委員、ドゥニヤ・ミヤトビッチ氏はこの動きについて、「表現、報道、集会の自由は国際人権基準に従って保護されるべきだ」とツイートした。
ベラルーシジャーナリスト教会のボレス・ゴレツキー副会長は声明で、「警察はジャーナリストと権利活動家の権利を奪い、拘束しました。彼らは止まるつもりはないようです」と述べた。同協会で一時的に拘束された10人は刑事告発に直面している。
また、警察は首都ミンスクのビアスナ人権センター本部を襲撃し、本部リーダーのアレス・ビアリアツキー氏を含む数人の自宅アパートも捜索した。同センターのヴァリアンシン・ステファノビッチ氏は、「この取り締まりは、ベラルーシ政府の弾圧、暴力、拷問を世界に発信してきたジャーナリストや人権活動家を威嚇する試みです」と当局の対応を非難した。
昨年8月9日の不正大統領選挙で勝利を宣言したルカシェンコ大統領は、数万人規模の抗議活動と欧米の制裁に動揺しながらも前進している。
野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏と支持者たちは不正選挙を却下し、集計作業に関わった一部の市民も票の操作があったことを認めている。
ルカシェンコ大統領の辞任と再選挙を求める抗議集会は最大20万人規模にまで拡大した。しかし、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の後ろ盾を得たルカシェンコ大統領は厳しい取り締まりで抗議者を打ち負かした。ビアスナ人権センターによると、抗議開始以来、3万人以上が拘束され、数千人が残酷に殴打されたという。
Harassment thru searches, arrests & criminal prosecution of journalists & #humanrightsdefenders, incl. @coe & @un partners in #Belarus are unacceptable. Freedoms of expression, association & assembly shld be ensured according to intl #humanrights standards. #BAJ #Viasna #disright
— Commissioner for Human Rights (@CommissionerHR) February 16, 2021
ベラルーシの最高調査機関は16日の襲撃について、「違法抗議の資金調達ルートを調査するためのもの」と説明した。
ツィハノウスカヤ氏はジャーナリストと人権活動家への襲撃と拘束を非難し、政府は人権を擁護する人々を弾圧し、権利を踏みにじっていると述べた。
人権団体アムネスティ・インターナショナルは、真実を伝える市民に対する報復と警察の襲撃を非難した。また、同団体のベラルーシ支部で活動するアイシャ・ユング氏は声明の中で、「政府は国内の独立したメディアと人権団体を恐ろしい家宅捜索、嫌がらせ、迫害を通じて間引いています。彼らは政府を非難するジャーナリストはひとり残らず打ちのめすとベラルーシの市民に見せつけ、黙らせるつもりです」と述べた。
欧州ジャーナリスト連盟(EFJ)と国際ジャーナリスト連盟(IFJ)も、ジャーナリストへの攻撃をやめるよう当局に要求している。IFLは声明で、「私たちはこの法外な暴力と抑圧を強く非難し、ルカシェンコ政府に嫌がらせをやめるよう要求します」と述べた。