国連はベラルーシの状況が悪化していることを嘆き、治安維持部隊による抗議者への取り締まりが場合によっては虐待や拷問につながる可能性があると懸念を表明した。
国連人権高等弁務官のミシェル・パチェレ氏は声明で、「9月の話し合い以来、状況に改善は見られず、特に最近の数週間は平和的な抗議集会に対する暴力的な取り締まりが続いている」と述べた。
アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、8月9日の選挙で勝利したと主張している。
しかし、野党、アメリカおよびEUはこの勝利を認めず、抗議者たちは平和的な話し合いと再選挙を求め抗議活動を続けている。
これに対し警察は、スタングレネード、催涙ガス、放水砲、閃光弾などで抗議者を打ち負かし、平和的なデモを厳しく取り締まった。
人権擁護団体によると、抗議活動が始まって以来、数千人が不当に拘留され、その多くはひどく殴打されたという。
アメリカとEUは不正選挙と虐待に関与したベラルーシ当局者に対して制裁を導入した。
パチェレ氏は、「抗議者に課せられる罰則はますます厳しくなっているようだ」と警告した。
ミシェル・パチェレ氏:
「当局は平和的な抗議活動に対し、不必要かつ不釣り合いな武力を行使している」
「警察署や拘留所に移送される途中、または移送後に治安維持部隊から暴力や虐待を受けたという複数の信頼できる報告を得ている」
「拷問、残酷で非人道的な扱い、品位を傷つける拘禁中の扱いなどの申し立てを多数受けている。また、多くのジャーナリストや人権擁護者への嫌がらせ、不当逮捕、教師や学生に対する懲戒処分なども確認された」
一方、ジュネーブのベラルーシ国連大使、ユーリー・アンブラゼビッチ氏は声明で、「すべての抗議が平和的だったわけではなく、それに応じて法執行機関は力を行使し、拘留と特別な手段を使用した」と反論した。
また、アンブラゼビッチ氏によると、ルカシェンコ大統領に辞任を求める抗議活動は減少しているという。
ユーリー・アンブラゼビッチ氏:
「街頭で抗議する者は、政府との直接対話の機会を拒否している」
野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏や他の指導者たちは、権力の移転と再選挙について何度も何度も何度も話し合いを求めてきたが、ルカシェンコ大統領はこれらの申し出をすべて拒否している。
警察、スタングレネードで抗議者を攻撃