15日、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の不正選挙と弾圧に抗議する平和的な抗議集会で1,000人以上が逮捕された。
集会に参加した人々は、治安維持部隊に殴り殺された野党指導者、ラマン・バンダレンカ氏(31歳)の死に強く抗議した。
バンダレンカ氏は12日の集会で治安維持部隊に拘束、殴打され、翌日死亡した。
当局は関与を否定している。
ヨーロッパ最後の独裁者は8月9日の不正選挙で大勝を収めたと主張し、市民と世界の怒りを買った。
・不正選挙に抗議した野党指導者がルカシェンコ大統領の治安維持部隊に殺害される
・EU、ルカシェンコ大統領への制裁を発動
首都ミンスクに集まった抗議者たちは、殺害されたバンダレンカ氏の拘束現場に花を手向け、死を悼んだ。
目撃者によると、バンダレンカ氏は旧国旗柄のリボンを排除しようとした私服警官に殴打され、別の警察官に引き渡されたという。
治安維持部隊による野党指導者の殺害について、EUの外交・安全保障政策担当のピーター・スタノ報道官は、「ベラルーシ当局による自国民への抑圧と暴力の結果だ」と厳しく非難した。
ビアスナ人権センターは逮捕者の指名を公開し、15日だけで1,000人以上が逮捕されたと発表した。
目撃者のひとりはロイター通信の取材に対し、「警察は抗議者にゴム弾を打ちこんだ」と語った。
ロシアのインテルファクス通信社は催涙ガス弾の使用を確認したと報じている。
8月9日の大統領選挙は、3か月以上にわたる政治危機を引き起こした。
野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏は出口調査の結果、60~70%の票を集めると予想されたが、集計作業は政府に支配され、隣国リトアニアへの亡命を余儀なくされた。
26年間ベラルーシを支配してきたルカシェンコ大統領はウラジミール・プーチン大統領の支援を受けており、野党とEUの要求を拒み続けている。
野党勢力は選挙以来、毎週日曜日に大規模な抗議活動を組織し、数万~10万人以上の抗議者がルカシェンコ大統領の辞任と再選挙を求めている。
選挙を監視する欧州安全保障協力機構(OSCE)は今月初めに声明を発表。次のように述べた。
欧州安全保障協力機構(OSCE)の声明:
「8月9日以降の人権侵害は体系的かつ大規模であり、政府が弾圧、拷問、脅迫などの違法行為を主導していることは疑いようがない」
「ルカシェンコ大統領の勝利は証明されていない」
11月6日、EUはルカシェンコ大統領と息子のヴィクトル氏を当局のブラックリストに追加、制裁対象とした。なおヴィクトル氏は現政権の国家安全保障顧問を務めている。