◎ベラルーシジャーナリスト協会は19日、人気ニュースサイトTut.byのスタッフ11人とサイトの運営に携わる企業の社員2人が拘束されたと述べた。
2021年5月18日/ベラルーシで活動している独立ニュースサイトTut.byのロゴ(Tut.by/ゲッティイメージズ/AFP通信)

ベラルーシのジャーナリスト協会によると、治安当局に逮捕された人気ニュースサイトTut.byのジャーナリスト13人が解放される見通しは立っていないという。

ヨーロッパ最後の独裁者、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の命を受けた治安部隊は5月18日、ニュースサイトTut.byをオフラインにしたうえで、事務所と職員の自宅を襲撃した。

現地メディアによると、武装当局はベラルーシで最も人気の高い独立メディアを取り締まった理由について、「メディア法違反」と述べたという。「Tut.byは大規模な脱税に関与しています。サイトの責任者と関係者は刑務所に収監されるでしょう」

武装当局によると、Tut.byの責任者および関係者は懲役7年の実刑判決を受ける可能性があるという。

ベラルーシジャーナリスト協会は19日、Tut.byのスタッフ11人とサイトの運営に携わる企業の社員2人が拘束されたと述べた。「首都ミンスクのTut.by事務所で18日の襲撃事件を報道していたジャーナリストも当局に拘束されました」

ベラルーシジャーナリスト協会のバリス・ハレツキー副代表は声明の中で、「ルカシェンコは国民と世界に真実を伝えるジャーナリストを弾圧した」と述べた。「Tut.byは破壊され、国内の数百万人が民間の客観的なニュースにアクセスできなくなりました」

ルカシェンコ大統領は昨年の大統領選挙で圧倒的勝利を収めたと勝手に主張し、野党勢力と支持者たちを打ち負かした。選挙後、一部の指導者は亡命を余儀なくされ、国内にとどまった者は逮捕された。ルカシェンコ大統領は1994年からベラルーシを支配している。

西側諸国は、隣国リトアニアに亡命した野党指導者のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏を支持している。同氏は昨年の大統領選に出馬する予定だった夫が逮捕されたため、代わりに立候補した。

2021年5月19日/ベラルーシ、首都ミンスクの刑務所から釈放されたジャーナリストのカティアリナ・ボリセビッチ氏(左)(AP通信)

ルカシェンコ大統領の私兵部隊は8月の大統領選挙以来、非武装の抗議者を34,000人以上逮捕し、数千人を残酷に叩きのめした。ベラルーシジャーナリスト協会によると、政府に批判的な記事を書くジャーナリストも部隊に狙われ、数十人が逮捕拘留されたという。

現地メディアによると、20人以上のジャーナリストが刑事裁判を待っているという。

ルカシェンコ政権は昨年、大統領選挙の抗議活動を連日報道していたTut.byのメディア資格を剥奪した。Tut.byはその後も活動を続けたが、政府はさらに圧力を強め、ジャーナリストのカティアリナ・ボリセビッチ氏を逮捕した。同氏は抗議者の死を調査した罪で懲役6カ月の実刑判決を受けた。

ボリセビッチ氏は南東部の都市ホメリの刑務所で刑期を終え、5月19日に釈放された。同氏はメディアの取材に対し、「刑務所に収監されるとは思ってもみませんでした」と述べた。

ベラルーシジャーナリスト協会によると、治安部隊は19日に独立系オンライン新聞ナシャニヴァの編集長と妻のアパートを捜索したという。

EUは19日の声明でベラルーシ政府に、ジャーナリストへの嫌がらせをやめ、平和的な抗議者や野党などの関係者に対する暴力と弾圧を終わらせるよう求めた。

2021年5月2日/ベラルーシ、首都ミンスクの南約270 kmに位置する町トゥーロフの正教会で開催されたイースター礼拝、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領(AP通信)
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