◎ポーランドの現地メディアは17日、ベラルーシ側に設置されたキャンプの一部が空になっていることを確認した。
ベラルーシの現地メディアによると、当局はポーランドとベラルーシの国境付近に閉じ込められた一部の移民希望者に避難所を提供したという。
ポーランドの現地メディアは17日、ベラルーシ側に設置されたキャンプの一部が空になっていることを確認した。
EUはベラルーシの独裁者アレクサンドル・ルカシェンコ大統領がポーランドに意図的に移民を送り込んでいると非難しているが、ルカシェンコ大統領はこの主張を却下し、「移民希望者には庇護を求める権利がある」と反論した。
しかし、ポーランドの国境警備隊は16日、一部の移民希望者が警察官に石を投げつけたことを受け、放水砲を見舞った。警備隊によると、警察官12人が負傷したという。
国境付近の気温は日中でも零度を下回ることが珍しくなく、移民希望者に対する放水攻撃は新たな懸念を引き起こした。
ポーランドの国境警備隊は、ベラルーシ軍の兵士と共にキャンプを離れる移民希望者の様子を撮影し、ツイッターで共有した。その後、ポーランドのマシエバ・ワシク副内相は声明で、「人々はバスで避難所に向かったという報告を受けた」と明らかにした。
ベラルーシの国営ベルタ通信によると、移民希望者約1,000人は国境近くにある暖房付きの工場に移されたという。
工場に入ったイラクのクルド人男性ミラン・アリ氏はソーシャルメディアで動画を共有した。アリ氏によると、ベラルーシ軍の兵士は「ドイツへの移住が決まるまで人々を保護する」と述べたという。
アリ氏が共有した動画にはベラルーシ軍に感謝する他の移民希望者も映っていた。ある男性グループは「ベラルーシ!ベラルーシ!ベラルーシ!」と連呼した。
ベルタ通信によると、工場に移った移民希望者たちは状況が改善するまで工場内で待つことに同意したという。工場には食糧、水、衣料品、マットレス、毛布などの支援物資も運び込まれている。
その他の移民希望者は国境沿いのキャンプを選択したと伝えられている。ポーランドの国境警備隊はキャンプにとどまっている人々の様子を17日に撮影し、共有した。
ベルタ通信の取材に応じた母親は、「イラクに戻るつもりはない」と述べた。「イラクの治安は非常に悪く、戻りたくありません。私は子供と一緒にドイツに行きたいです...」
移民希望者たちは主にイラク、シリア、アフガニスタンの難民で構成されている。
一方、イラク政府は18日にベラルーシに専用の帰国便を送ると明らかにした。
EUの支援を受けるポーランドはルカシェンコ大統領の嫌がらせと圧力に立ち向かうと誓っており、国境の警備体制を強化したうえで、強靭なかみそり付き高強度フェンスの建設を推進している。
ポーランドのマリウス・ブラシュザク国防相は先日の声明で、「ベラルーシは国境の問題がすぐ解決することはないと理解し、問題に対処しなければならない」と警告していた。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は今週、国境沿いで立ち往生している人々への支援と危機を緩和するよう国連に要請した。
これに対しベラルーシ政府は17日、「ベラルーシの電力当局は今後24時間以内にウクライナへの電力供給を停止する」と発表した。現地メディアによると、電力供給を停止する理由は明らかにされていないという。