ベラルーシ当局、ノーベル平和賞受賞者と野党指導者を解放
ビアリアツキー氏は2022年にノーベル平和賞を受賞したベラルーシの人権活動家で、1996年に人権団体ビアスナを設立し、政治犯支援活動を続けてきた人物だ。
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ベラルーシ当局は13日、ノーベル平和賞受賞者のビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏と著名な野党指導者コレスニコワ(Maria Kolesnikova)氏をはじめとする政治犯123人を釈放した。人権団体ビアスナが明らかにした。
釈放は米国との対話が進展した結果であり、米国がベラルーシに対する制裁の一部を解除したことと関連している。
ビアリアツキー氏は2022年にノーベル平和賞を受賞したベラルーシの人権活動家で、1996年に人権団体ビアスナを設立し、政治犯支援活動を続けてきた人物だ。彼は2021年に逮捕され、2023年には治安秩序違反などの罪で10年の実刑判決を受けていたが、これらの罪は国際的に政治的動機によるものと批判されていた。釈放前、ビアリアツキー氏は健康状態が悪化しているとの報告があった。
コレスニコワ氏は2020年の大規模な反政府デモを象徴する野党指導者の一人であり、反政権運動の中心的存在だった。強制送還を拒んだ際に自らパスポートを破りベラルーシ国内に留まったことで知られ、2021年に「権力掌握陰謀」などの罪で11年の実刑判決を受けていた。釈放前には深刻な体調不良を訴え、収監中に手術を受けたとされる。
ベラルーシのルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は長年にわたり野党排除と人権侵害で西側諸国から批判を受けてきた。特に2020年の大統領選後の弾圧で数千人が拘束され、欧米諸国は厳しい経済制裁を科していた。今回の釈放は米国がポタッシュ(肥料原料)産業への制裁を解除することを受けて実施されたもので、ルカシェンコ政権が西側との関係改善を模索していることを示している。
米国のコール(John Coale)特使は13日、首都ミンスクでの2日間にわたる交渉後、制裁解除と釈放が「非常に建設的な進展」であると述べ、米ベラルーシ関係が「小さな一歩からより確かな歩みに移行している」と強調した。
制裁解除の対象は主にポタッシュ産業であり、これはベラルーシ経済の重要な輸出分野である。
釈放された政治犯の多くはウクライナやリトアニアなどに移送される見込み。ビアリアツキー氏とコレスニコワ氏はリトアニアの在米国大使館に到着した伝えられている。ベラルーシ国内ではなお多数の政治犯が拘束されたままであり、国際的な人権団体は継続的な圧力が必要だと指摘している。
一方で反政権勢力や欧州の一部当局者は、制裁解除がルカシェンコ政権の体制維持に寄与する可能性を懸念し、注意深い対応を求めている。米国とEUによるさらなる外交的圧力がベラルーシの政治改革につながるかが今後の焦点となる。
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