ベラルーシ気球が3夜連続でポーランド領空に侵入、ハイブリッド攻撃
この気球はたばこなどの密輸に使われているとみられ、ポーランド軍は「ハイブリッド攻撃」として警戒を強めている。
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ポーランド政府は2日、ベラルーシ領内から放たれた気球が3夜連続でポーランド領空に侵入したと明らかにした。この気球はたばこなどの密輸に使われているとみられ、ポーランド軍は「ハイブリッド攻撃」として警戒を強めている。ポーランド東部国境におけるこのような事案はロシアの同盟国であるベラルーシからの脅威の一部と評価されてきた。
ポーランド軍の作戦司令部は声明で、「ベラルーシ側が再び偵察を試み、ポーランドの防空システムの反応を探ろうとした」と説明した。これを受け、軍の報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、「2026年の気球侵入は2025年よりも増えている」と述べた。増加の原因としては、ベラルーシ政府の政治的判断や、ポーランドの国境防衛強化に対応した密輸業者の対応が考えられると指摘した。
ポーランド軍はこの気球が安全保障に直接の脅威をもたらしているわけではないと説明しているが、ベラルーシ国境付近では民間航空に一時的な制限を課す必要が生じている。気球が飛来する時間帯に合わせて民間機の飛行空域が制限され、当局は航空機の安全確保に努めている。ベラルーシ大使館はこの件に関するポーランド側の問い合わせに回答していない。
ポーランドやバルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)はベラルーシとロシアが西側諸国に対して「ハイブリッド戦争」と呼ばれる手法を用いていると非難している。この戦術には移民の煽動、破壊工作やスパイ活動のほか、たばこの密輸を目的とした気球の活用が含まれるとの見方がある。こうした活動はEU東部国境の不安定化を意図したものだとされる。
このような風船による侵入はポーランドだけでなく、隣国リトアニアでも問題となっている。2025年12月にはリトアニアがベラルーシからの観測用とみられる気球の侵入を受けて国家非常事態を宣言し、主要空港で複数回飛行が停止する事態となった。これにより数千人の旅行者が空港で足止めを余儀なくされた。リトアニア当局はこの気球を「ハイブリッド攻撃」の一部とみなして対応を強化している。
ポーランド政府は2025年9月にロシアのドローンが領空侵犯した事件や、同年11月に鉄道線路で発生した爆発事故をロシアと結びつけるなど、ロシア・ベラルーシ両国からの脅威に対して警戒を怠らない姿勢を示している。こうした背景から、ポーランドは防空体制の強化と同盟国との連携を進め、領空の安全確保と周辺地域の安定に向けた取り組みを継続している。
ベラルーシからの気球侵入は単なる密輸事件にとどまらず、地域の安全保障環境を巡る緊張を象徴する出来事として捉えられており、ポーランドをはじめとする周辺国の対応が注目されている。
