◎ナゴルノカラバフで生活していたアルメニア系住民約12万人のほぼ全てがアルメニアに逃れたとされる。
アゼルバイジャンのアリエフ(Ilham Aliyev)大統領は15日、アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフの主要都市ステパナケルトを視察し、政府庁舎にアゼルの国旗を掲げた。
国営テレビによると、アゼル当局はナゴルノカラバフ内にあるすべての政府関連施設で国旗を掲揚したという。
ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
アゼル政府は先月、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル陸軍による集中砲火を受けたナゴルノカラバフの分離主義勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。
国営テレビによると、アリエフ氏は政府庁舎前で演説を行い、「ナゴルノカラバフの主権を取り戻した」と宣言したという。
ナゴルノカラバフで生活していたアルメニア系住民約12万人のほぼ全てがアルメニアに逃れたとされる。一部の住民はそこにとどまっているとみられ、アゼル当局の管理下に置かれた。
アゼル政府はそこにとどまるアルメニア系住民の権利を尊重すると約束しているが、ほとんどの住民が宗教や慣習の違いによる弾圧を恐れ、避難に踏み切った。