アゼル政府がロシアのイベントを中止、市民2人殺害受け

ロシアの法執行機関は27日、エカテリンブルク市内でアゼル人が暮らす住宅を家宅捜索し、2人のアゼル人が死亡し、数人が重傷を負った。
ロシアとアゼルバイジャンの国旗(Getty Images)

アゼルバイジャン政府は29日、ロシア・エカテリンブルクで警察の家宅捜索中に2人のアゼルバイジャン市民が殺害された事件に抗議し、ロシアの国家機関と民間団体が計画していたすべての文化イベントを中止したと発表した。

文科省はX(旧ツイッター)への投稿で、「ロシアの法執行機関が民族的理由に基づきアゼルバイジャン人に対して行った暴力行為により、コンサート、展覧会、フェスティバル、公演が中止された」と書いた。

アゼル外務省によると、ロシアの法執行機関は27日、エカテリンブルク市内でアゼル人が暮らす住宅を家宅捜索し、2人のアゼル人が死亡し、数人が重傷を負い、9人が拘束されたという。

同省は28日、首都バクーの駐ロシア大使を召喚し、徹底的な調査を要求した。

亡くなったのはいずれも60歳前後の男性であった。

犠牲者の親族はアゼルの公共放送ITVの取材に対し、「私の家族は無罪にもかかわらず、裁判や調査なしに拷問を受け、殺害された」と語った。

それによると、複数人が殴打され、電気ショックを受けた人もいたという。

ロシア外務省は28日の声明でこの事件に言及。治安当局は犯罪捜査に基づき複数人を拘束したと述べたが、死者が出たことには言及しなかった。

ロシアと旧ソ連構成国であるアゼルの関係は昨年12月の旅客機墜落以来、冷え込んでいる。

アゼルバイジャン航空8432便は昨年12月25日、バクーからロシア南部チェチェン共和国に向かう途中、カザフスタンのアクタウに墜落。乗客乗員67人のうち38人が死亡、29人が病院に搬送された。

アゼル政府はロシアの防空システムによる誤射という認識を示している。

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