▽自由党は1950年代にナチス親衛隊の幹部だった指導者が設立して以来、初めて首相を選出するチャンスを得た。
オーストリアの極右・自由党のキックル(Herbert Kickl)党首が7日、与党・国民党に対し、連立交渉に「誠実に」望むよう求めた。
キックル氏は6日にファン・デア・ベレン(Alexander Van der Bellen)大統領と会談。ファン・デア・ベレン氏は終戦以来初となる極右主導の新政権樹立をキックル氏に要請した。
自由党は昨年9月の議会選で第1党に躍進するも、他政党が自由党との連立を拒否。ファン・デア・ベレン氏はネハンマー(Karl Nehammer)前首相に新政権の樹立を命じた。
しかし、自由党抜きの政権樹立を目指した国民党の努力は先週破綻。ネハンマー氏はこれを受け、4日に辞任した。
キックル氏はロシア寄りの姿勢を見せる右派である一方、国民党との大連立を否定せず、協調して政権運営に当たる姿勢を見せている。
キックル氏は記者会見で、国民党に対し、連立交渉に誠実に望むよう促し、「さもなくば解散総選挙で民意を問うことになる」と指摘した。
自由党は1950年代にナチス親衛隊の幹部だった指導者が設立して以来、初めて首相を選出するチャンスを得た。
「正直に、誠実に交渉に臨んでください。小手先の駆け引きや小細工、妨害工作は許されません」とキックル氏は強調した。
またキックル氏は国民党の暫定首相に安定と団結を確保するよう求めた。「もしそうでなければ、解散総選挙になるでしょう...」
最新の世論調査によると、昨年9月以降、自由党の支持率は上昇する一方、国民党の支持率は低下しており、その差は10ポイント以上に拡大している。
野党・社民党は先週、ネハンマー氏が交渉を打ち切ったことに不満を示し、さじを投げないよう求めていた。