▽両政党は13日、財政赤字をEUの規則で義務づけられているGDP比3%以内に抑えるため、今年中に約63億ユーロ(約1兆円)を削減することで合意したと発表した。
オーストリアの極右・自由党のキックル(Herbert Kickl)党首は13日、与党・国民党と財政赤字を削減することで合意したと明らかにした。
ファン・デア・ベレン(Alexander Van der Bellen)大統領は先週、キックル氏に連立政権を樹立するよう命じた。
キックル氏はそれ以来、国民党の幹事長らと協議を重ねてきた。
自由党は昨年9月の議会選で第1党に躍進するも、他政党が自由党との連立を拒否。ファン・デア・ベレン氏はネハンマー(Karl Nehammer)前首相に新政権の樹立を命じた。
しかし、自由党抜きの政権樹立を目指した交渉は今月初めに破綻。ネハンマー氏はこれを受け、4日に辞任した。
両政党は13日、財政赤字をEUの規則で義務づけられているGDP比3%以内に抑えるため、今年中に約63億ユーロ(約1兆円)を削減することで合意したと発表した。
キックル氏は声明で、「税金の抜け穴や特権、特に大企業に対する対策、省庁組織の節約、過剰な補助金の廃止により、新たな税金を課さずに赤字を削減できる」と述べた。
またキックル氏は「わずか3日間で以前は100日かけても考えられなかった合意に達したことを嬉しく思う」と述べ、主流政党の以前の努力を非難した。
連立交渉には数週間から数ヶ月かかる可能性があり、成功する保証もない。連立政権が誕生するまでの間は国民党のシャレンベルク(Alexander Schallenberg)外相が暫定首相を務める。