▽保守的な国民党(OVP)、社会民主党(SPO)、リベラルな新オーストリア・自由フォーラム(NEOS)の党首が協定に署名。戦後初の極右政権発足を阻止した。
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オーストリアの中道3政党が27日、5ヶ月前の議会選挙で勝利した極右・自由党抜きで連立政権を樹立することで合意した。
保守的な国民党(OVP)、社会民主党(SPO)、リベラルな新オーストリア・自由フォーラム(NEOS)の党首が協定に署名。戦後初の極右政権発足を阻止した。
3党は銀行とエネルギー企業への増税、歳出削減、移民抑制を含む政策も併せて公表した。
自由党は昨年9月の議会選で第1党に躍進するも、他政党が自由党との連立を拒否。ファン・デア・ベレン(Alexander Van der Bellen)大統領はネハンマー(Karl Nehammer)前首相に新政権の樹立を命じた。
しかし、この交渉は先月初めに破綻。ネハンマー氏は責任を取り辞任した。
ファン・デア・ベレン氏は先週、自由党とOVPの連立交渉が破綻したことを受け、自由党抜きでの連立政権樹立を再提案していた。
首相候補であるOVPのシュトッカー(Christian Stocker)党首は記者団に対し、「我が国の歴史上最も困難な連立協議がまとまったことを嬉しく思う」と語った。
3党は財政赤字をEUの上限であるGDP比3%以内に収めることなど、約200ページに及ぶ政策を策定。新政権は来週発足する予定だ。
一方、自由党のキックル(Herbert Kickl)党首はOVPが妥協案を拒否したと非難。解散総選挙を要求していた。
自由党はナチスの元党員が立ち上げた組織で、反移民と反イスラム政策を追求すると公言。ロシア寄りの姿勢も示している。