◎スロバキアと国境を接するチェコも国境警備を強化するとしている。
オーストリア政府は28日、スロバキア国境の警備を強化し、不法移民の流入を防ぐと発表した。
スロバキアと国境を接するチェコも国境警備を強化するとしている。
オーストリア政府によると、28日午後から国境検問所11カ所の警備を強化し、少なくとも10日間はこの体制を維持する予定。
内務省は声明で、「チェコ国境の警備が強化されたことで、オーストリアに向かう不法移民が増加すると予想されるため、体制を見直した」と説明している。
公共放送ORF(オーストリア放送)は内相の声明を引用し、「人身売買組織が行動を起こす前に手を打つ必要がある」と報じた。
オーストリア、チェコ、スロバキアはシェンゲン圏に属しており、加盟国の市民はビザなしで入国可能。シェンゲン協定加盟国は過去にも不法移民の取り締まりやコロナウイルスの拡散を防ぐために国境警備を強化している。
オーストリアのネハンマー(Karl Nehammer)首相は28日の記者会見で、「来週ハンガリーのオルバン(Viktor Orban)首相とセルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領と会談し、移民問題について協議する予定」と明らかにした。
またネハンマー氏は、「各国は自国の利益のために国境警備を引き締めているのではなく、組織犯罪や人身売買と戦うために行動している」と強調した。
オーストリアは2015年、シリア、イラク、アフガニスタンなどから100万人以上の亡命者がEUに流入した際にも国境警備を強化し、その後も何度か同様の措置を取っている。
チェコ内務省によると、同国がこの数年で拘束した不法移民は8500人ほどだったが、今年は9月の時点で1万2000人に達したという。
亡命希望者たちはチェコやスロバキアにとどまることを望まず、ドイツ、オーストリア、スウェーデンなどの裕福な国を目指している。